114A071|第114回 歯科医師国家試験 過去問
78歳の女性。上顎全部床義歯が外れやすいことを主訴として来院した。使用中の義歯は3年前に製作したという。診察の結果、義歯床粘膜面に粘膜調整材で裏装したところ、義歯の維持は向上した。初診時の口腔内写真(別冊No. 28A)と粘膜調整材で裏装した義歯床粘膜面の写真(別冊No. 28B)を別に示す。 患者への説明で適切なのはどれか。3つ選べ。

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正解: b・c・d
正答
b、c、d
この問題のポイント
粘膜調整材は柔らかく吸水性があるため、安静、非研磨的な清掃、短い間隔での再評価が必要です。
解説
粘膜調整材は、義歯床下粘膜に加わる不均等な圧を緩和して、炎症を起こした粘膜の回復を図る暫間材料です。就寝時には義歯を外して粘膜を休ませ、材を傷つけない適合する義歯洗浄剤で毎日清潔にします。ペースト状義歯安定剤を重ねると粘膜面の形が変わり、清掃不良や適合評価の妨げになるため使用しません。
材は時間とともに硬化・粗造化して微生物が付着しやすくなるので、数日から1~2週程度の短い間隔で診査・交換します。硬いブラシで擦ると材を損傷します。
画像の確認
実画像では、上顎無歯顎粘膜に発赤があり、臼歯部には限局した潰瘍性病変もみられます。粘膜調整材で裏装した義歯床粘膜面には圧痕と不均一な厚みがあり、義歯を外して組織を休ませながら材の状態を継続管理すべき所見です。
選択肢の確認
a.「3か月後に再来院してください」
誤り。粘膜と材料を短い間隔で再評価する必要があり、3か月は長すぎます。
b.「夜寝る時は義歯を外してください」
正しい。床下粘膜を休ませ、炎症の改善を図ります。
c.「毎日、義歯洗浄剤に浸けてください」
正しい。材料に適合する非研磨的な洗浄剤で微生物付着を抑えます。
d.「ペースト状の義歯安定剤は使用しないでください」
正しい。粘膜面の形態を変え、清掃と適合評価を妨げます。
e.「硬めの義歯用ブラシで義歯の裏表をきれいに清掃してください」
誤り。硬いブラシは柔らかい粘膜調整材を削り、表面を損傷します。
覚えるポイント
- 粘膜調整材使用中は夜間義歯を外す・非研磨的に洗浄・短期再診が基本です。
- 義歯安定剤を追加しません。
- 粘膜の治癒後に最終的なリラインや義歯新製へ進みます。
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