114A072|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

16歳の男子。下顎右側臼歯部の腫脹を主訴として来院した。6か月前に自覚したが、痛みがないためそのままにしていたところ、徐々に増大してきたという。自発痛や下唇の知覚異常は認めない。初診時のエックス線画像(別冊No. 29A)と生検時のH-E染色病理組織像(別冊No. 29B)を別に示す。 適切な治療はどれか。2つ選べ。

114A072の問題画像
2つ選択
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正解: a・c

正答

a、c

この問題のポイント

若年者の大きな嚢胞性顎骨病変では、開窓による縮小と摘出・搔爬を検討し、適応のない広範な顎切除は避けます。

解説

画像と病理像は単囊胞型エナメル上皮腫を考える所見です。16歳で自覚症状に乏しく、顎骨の連続性が保たれた嚢胞性病変では、開窓して嚢胞内圧を下げ、病変縮小と骨新生を待つ方法を選べます。また、病変の大きさ、上皮増殖の様式、歯との関係を考慮して病変を摘出し、残存腫瘍を減らすため周囲を搔爬します。

単囊胞型でも壁内へ腫瘍が増殖する型では再発し得るため、摘出標本を十分に検索し、長期経過観察を行います。皿状形成、辺縁切除・区域切除は本例でまず選ぶ方法ではありません。

画像の確認

実画像では、下顎右側臼歯部から下顎枝にかけて境界明瞭な単房性透過像があり、顎骨の外形は保たれています。病理像では嚢胞腔を裏装するエナメル上皮腫様上皮と、腔内へ突出する上皮性増殖がみられ、単囊胞型エナメル上皮腫の所見です。

選択肢の確認

a.開窓
正しい。大きな嚢胞を減圧して縮小させ、顎骨を保存できます。

b.皿状形成
誤り。病変周囲の骨を皿状に削除する方法で、本例の嚢胞性病変の標準的選択ではありません。

c.摘出・搔爬
正しい。嚢胞上皮を摘出し、再発源となる残存組織を減らします。

d.下顎辺縁切除
誤り。若年者で顎骨外形が保たれ、保存的治療を選択できる本例の単囊胞型エナメル上皮腫に対しては侵襲が大きすぎます。

e.下顎区域切除
誤り。下顎の連続性を失う切除であり、本例ではまず開窓または摘出・搔爬を選びます。

覚えるポイント

  • 若年者の単囊胞型エナメル上皮腫では開窓で病変縮小を図れます。
  • 摘出・搔爬後も長期的に再発を確認します。
  • 顎骨の連続性を失う切除を初めから安易に選びません。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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