114A073|第114回 歯科医師国家試験 過去問

全身管理医学・全身疾患

下唇の無痛性腫脹を主訴として来院した患者の初診時の顔貌写真(別冊No. 30)を別に示す。昨日から自覚しているという。以前にも同様の症状があったが、数日で消退したという。局所の熱感と発赤は認めない。 行うべき検査はどれか。1つ選べ。

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正解: c

正答

c

この問題のポイント

発赤・熱感・蕁麻疹を伴わず反復する口唇腫脹では、C1インヒビター異常による血管性浮腫を疑います。

解説

C1インヒビターの欠損または機能低下では、補体系・接触系の制御が失われ、ブラジキニンが増加して血管透過性が亢進します。これにより蕁麻疹や強い発赤を伴わない非圧痕性の皮下・粘膜浮腫を反復します。遺伝性血管性浮腫を疑う場合は、血中C1インヒビター量・活性と補体C4などを測定します。

喉頭浮腫は窒息につながるため、嗄声、嚥下困難、呼吸困難の有無を直ちに確認します。ヒスタミン依存性アレルギーを調べる皮膚試験とは検査の狙いが異なります。

画像の確認

実画像では、下唇がびまん性に腫脹していますが、皮膚表面に明らかな発赤、膿瘍、外傷はみられません。前日から急に出現し、過去にも自然消退する同様の発作があることから、感染性腫脹より反復性血管性浮腫を示唆します。

選択肢の確認

a.パッチテスト
誤り。遅延型接触アレルギーを調べる検査です。

b.プリックテスト
誤り。IgE依存性の即時型アレルギーを調べます。

c.血中C1インヒビター
正しい。欠損または機能低下を確認し、遺伝性血管性浮腫を診断します。

d.血中プロカルシトニン
誤り。重症細菌感染症の補助指標で、本例に感染徴候はありません。

e.末梢血リンパ球表面抗原検査
誤り。血液・免疫疾患の細胞分類に用い、本例の第一選択ではありません。

覚えるポイント

  • 無蕁麻疹性の反復性浮腫はC1インヒビターを調べます。
  • 機序はヒスタミンではなくブラジキニンです。
  • 口唇腫脹を見たら喉頭浮腫による気道危険も確認します。

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