114B021|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

舌癌患者に対し舌全摘と腹直筋皮弁移植術を施行した。術後、構音と嚥下機能の改善を目的としてある装置を製作した。装置装着前後の口腔内写真(別冊No. 2)を別に示す。 矢印で示すのはどれか。1つ選べ。

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正解: b

正答

b

この問題のポイント

舌全摘後は、再建舌の可動性と口蓋への接触が不足します。口蓋側を厚くして接触距離を短縮する舌接触補助床は、構音と嚥下の改善に用います。

解説

舌は、構音時に口蓋と接触して子音を作り、嚥下口腔期には食塊を口蓋に押し付けながら咽頭へ送り込みます。舌全摘と筋皮弁再建後は、再建舌の可動範囲が限られ、通常の口蓋形態では十分に接触できません。

舌接触補助床は口蓋面を低く、厚く形成し、残存舌または再建舌が届くようにする口腔内装置です。接触の回復により、発音の明瞭度と食塊搬送を改善します。装置は構音・嚥下評価を行いながら個別に形態調整します。

画像の確認

実画像では、装置なしの写真で再建された舌と口蓋の間に大きな隙間があります。装着後の写真では、口蓋側から大きく盛り下げられた装置によって矢印部で再建舌との距離が短縮し、舌接触を補助する形態が確認できます。

選択肢の確認

a.顎義歯
誤り。顎義歯は顎骨や口腔周囲組織の欠損を閉鎖・補塡する装置で、本例の舌と口蓋の接触補助が主目的ではありません。

b.舌接触補助床
正しい。口蓋形態を低くし、再建舌との接触を容易にして構音と嚥下を改善します。

c.軟口蓋挙上装置
誤り。軟口蓋を持ち上げて鼻咽腔閉鎖不全を補う装置で、舌と口蓋の接触を作る装置ではありません。

d.下顎前方牽引装置
誤り。顎発育や咬合に働きかける矯正装置で、舌全摘後の構音・嚥下補助用ではありません。

e.オクルーザルランプ
誤り。咬合面に傾斜面を付与し、下顎位や咬合を誘導する構造です。

覚えるポイント

  • 舌接触補助床は口蓋を厚くし、舌との距離を短くします。
  • 目的は構音と嚥下口腔期の改善です。
  • 軟口蓋挙上装置は鼻咽腔閉鎖不全に用いると区別します。

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