114B024|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

76歳の女性。上顎前歯部顎堤の疼痛を主訴として来院した。半年前に上下顎義歯を新製したが、最近になって起床時に下顎残存歯に対向する顎堤粘膜の疼痛を自覚するようになったという。就寝中は義歯を外しており、日中の義歯使用時に疼痛は認められない。初診時の義歯装着時の口腔内写真(別冊No. 4A)と上顎顎堤の写真(別冊No. 4B)を別に示す。 まず行うべき対応はどれか。1つ選べ。

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

疼痛が「就寝中は義歯を外す」「起床時に出現」「日中の義歯使用時にはない」ことが鍵です。夜間に下顎残存歯が上顎顎堤に直接当たる外傷を、義歯で防ぎます。

解説

本例では上顎が無歯顎、下顎に前歯が残存しています。上顎総義歯を外した状態で就寝中にクレンチングやブラキシズムが起こると、下顎残存歯が上顎前歯部顎堤粘膜を直接圧迫します。そのため義歯を外した夜間に外傷性疼痛が生じ、起床時に症状が目立ちます。

まず上顎義歯を就寝時に装着させ、義歯床で圧を分散して歯の直接接触を防ぎます。一般に夜間の義歯装着は粘膜の休息や衛生面から慎重に判断しますが、本例は夜間外傷を防ぐ明確な目的があります。清掃と定期管理も併せて指導します。

画像の確認

実画像では、上顎総義歯に対し、下顎前歯が複数歯残存し、上顎前歯部に対向しています。義歯を外した上顎顎堤写真では前方顎堤を覆う粘膜が示され、義歯を介在させなければ下顎残存歯がこの部位へ直接接触し得る位置関係です。

選択肢の確認

a.鎮痛薬の投与
誤り。一時的な疼痛軽減になっても、夜間の機械的圧迫という原因を除去できません。

b.残存歯の削合
誤り。健全歯質を不可逆的に削る前に、義歯装着で夜間接触を防ぐ保存的対応を選びます。

c.人工歯の咬合調整
誤り。日中の義歯使用時に疼痛がないため、義歯装着中の咬合干渉が主原因とは考えにくい状況です。

d.義歯床粘膜面の削合
誤り。義歯装着中に痛まず、外した後に痛むため、床粘膜面の圧迫は症状と合いません。

e.就寝時の義歯装着の指示
正しい。まず行います。上顎義歯を介在させ、下顎残存歯が上顎顎堤粘膜を夜間に直接圧迫するのを防ぎます。

覚えるポイント

  • 症状の出る時間と義歯装着の有無を対応させます。
  • 本例では夜間の残存歯による顎堤圧迫が原因です。
  • 夜間装着を指示する場合も、義歯と口腔の清掃、粘膜の定期評価が必要です。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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