114B023|第114回 歯科医師国家試験 過去問

全身管理医学・全身疾患

高齢患者が歯科治療中に突然呂律が回らなくなった。患者を立位にし、歯科医師が両手をとって前方、水平にあげ、目を閉じさせた。その後、歯科医師が手を放しても姿勢を維持するよう指示した。手を放した後の写真(別冊No. 3)を別に示す。 適切な対応はどれか。1つ選べ。

114B023の問題画像
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正解: b

正答

b

この問題のポイント

突然の構音障害と一側上肢の下垂は、脳卒中を疑うFAST所見です。脳卒中治療は発症からの時間に強く左右されるため、ただちに救急車を要請します。

解説

FASTは、Face(顔の麻痺)、Arm(腕の麻痺)、Speech(言葉の障害)、Time(発症時刻の確認と緊急対応)を表します。両上肢を手のひらを上にして前方保持させ、一側が下がる、または回内する所見は軽い片麻痺を示します。

歯科治療を直ちに中止し、発症時刻または最終健常確認時刻を記録して119番通報します。気道、呼吸、循環、意識、バイタルサインを評価し、経口摂取はさせません。酸素投与は低酸素血症がある場合に行いますが、搬送要請を遅らせてはいけません。

画像の確認

実画像では、患者が両上肢を前方に上げていますが、一側上肢は高さを保てず下がり、手の向きも対側と非対称です。突然の「呂律が回らない」というSpeechの異常と、Armの一側性下垂が同時にあり、脳卒中を強く疑う状況です。

選択肢の確認

a.酸素投与
誤り。低酸素血症があれば行いますが、酸素投与の有無にかかわらず緊急搬送が必要です。

b.救急車の要請
正しい。最優先です。脳卒中を疑う局所神経症状が突然出現しており、ただちに119番通報して専門治療が可能な医療機関へ搬送します。

c.血糖値の測定
誤り。状況によって行いますが最優先ではありません。低血糖は類似症状を示し得ますが、測定のために救急要請を遅らせません。

d.静脈路の確保
誤り。救急隊や搬送先で必要に応じて行いますが、歯科診療室で最初に行う対応ではありません。

e.ビタミンB12製剤の投与
誤り。ビタミンB12欠乏による慢性の神経障害などの治療で用い、突発した局所神経症状への緊急対応ではありません。

覚えるポイント

  • FAST=Face・Arm・Speech・Timeです。
  • 脳卒中が疑われるときは発症時刻を確認し、ただちに救急車を要請します。
  • 補助的な検査や処置で緊急搬送を遅らせないことが重要です。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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