114B025|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

23歳の男性。下顎の突出感を主訴として来院した。診断をした結果、外科的矯正治療を行うこととした。術前矯正治療終了時の顔面写真(別冊No. 5A)、口腔内写真(別冊No. 5B)及び側面と正面頭部エックス線規格写真(別冊No. 5C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 手術法の組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

顎矯正手術では、上顎と下顎を別々に評価します。本例は上顎後退と下顎前突を伴う骨格性III級で、Le FortⅠ型骨切り術とObwegeser-Dal Pont法による上下顎移動が適します。

解説

SNA角の減少は頭蓋底に対する上顎の後方位、SNB角の増加は下顎の前方位を示します。ANB角が大きく減少または負値であれば、上下顎骨格のIII級関係を示します。上顎と下顎の両方に不調和の原因があるときは、一顎のみの移動より上下顎同時移動が、咬合と顔貌の調和を得やすい場合があります。

Le FortⅠ型骨切り術は上顎歯列を含む上顎骨全体を移動します。Obwegeser-Dal Pont法は下顎枝矢状分割術で、広い骨片接触面積を得ながら下顎を後方へ移動できます。

画像の確認

実画像では、側貌で中顔面に対する下顎の前突が目立ち、口腔内では術前矯正治療後の反対咬合が確認できます。セファロ分析図ではSNA角が小さく、SNB角が大きく、ANB角が著しく小さい側にプロットされ、上顎後退と下顎前突の両方への手術が必要な所見です。

選択肢の確認

a.Wassmund法 ― Köle法
誤り。どちらも前歯部の歯槽骨切り術で、上顎全体の後退と下顎骨体全体の前突を同時に改善する組合せではありません。

b.Wassmund法 ― Obwegeser-Dal Pont法
誤り。下顎の後方移動は可能ですが、Wassmund法は上顎前歯部の分節移動で、本例で必要な上顎全体の前方移動に対応しません。

c.Le FortⅠ型骨切り術 ― Köle法
誤り。上顎全体は移動できますが、Köle法は下顎前歯部の歯槽骨切り術で、下顎骨格全体の前突改善には不十分です。

d.Le FortⅠ型骨切り術 ― Dingman法
誤り。Dingman法は下顎体部骨切り術で、本例の下顎後方移動に対する代表的選択は下顎枝矢状分割術です。

e.Le FortⅠ型骨切り術 ― Obwegeser-Dal Pont法
正しい。上顎全体の前方移動と下顎骨体の後方移動を組み合わせ、骨格性III級を改善します。

覚えるポイント

  • SNAは上顎、SNBは下顎、ANBは上下顎の前後的関係を示します。
  • 上顎後退と下顎前突の併存では上下顎同時移動術を検討します。
  • Le FortⅠ型は上顎全体、Obwegeser-Dal Pont法は下顎枝矢状分割術です。

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