119A041|第119回 歯科医師国家試験 過去問
60 歳の女性。入れ歯の針金周囲に食べ物が挟まることを主訴として来院した。 下顎右側第一大臼歯の欠損に対し1 年前にレジン床義歯を製作したが、比較的早期 から着脱のわずらわしさを感じていたという。診察の結果、⑦6 ⑤ ブリッジによ る補綴処置を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 8A)とエックス線画 像(別冊No. 8B)を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。 舌 側* 2 2 3 3 3 3 歯 種 7 6 5 頰 側* 2 2 3 3 2 3 動揺度** 0 0 * :プロービング深さ(mm) ** :Miller の判定基準 補綴前処置として考えられるのはどれか。2 つ選べ。

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正解: a・e
正答
a、e
この問題のポイント
ブリッジ製作前には、支台歯の共通着脱方向と咬合空隙を整えるため、咬合調整と必要に応じた矯正的整直を検討します。
解説
欠損部へブリッジを製作する際、傾斜した支台歯があると共通の着脱方向を確保しにくく、形成量が増えたり歯髄・歯周組織への負担が増えたりします。矯正歯科治療による整直は、支台歯軸を改善して適切な形成と清掃性を得るために有効です。
また、対合歯との接触や挺出により補綴空隙が不足している場合は咬合調整を行います。歯周ポケットが浅く動揺もないため、歯肉切除や歯冠長延長術を第一に選ぶ状況ではありません。
画像の確認
実画像Aでは欠損した下顎右側第一大臼歯の空隙へ第二大臼歯が近心傾斜し、支台歯軸と咬合面関係が不揃いである。Bでも第二大臼歯の近心傾斜が確認できるため、ブリッジ前に矯正的整直で支台歯軸を整え、干渉部は咬合調整することが考えられる。
選択肢の確認
a.咬合調整
正しい。
咬合接触や補綴空隙を調整し、ブリッジに必要な材料厚と適切な咬合関係を確保します。
b.歯肉切除
誤り。
歯肉切除は仮性ポケットや歯肉増殖などが適応です。本症例の歯周検査値から優先する処置ではありません。
c.小帯切除
誤り。
小帯切除は小帯の高位付着や義歯床・歯周組織への障害が適応で、ブリッジ支台歯の軸や空隙改善にはつながりません。
d.歯冠長延長術
誤り。
歯冠長延長術は歯質露出や生物学的幅径確保が必要な場合に行います。本症例で示される主な補綴前処置ではありません。
e.矯正歯科治療による整直
正しい。
傾斜した支台歯を矯正的に整直すると、共通着脱方向、歯周環境、清掃性を改善できます。
覚えるポイント
- ブリッジ支台歯では共通着脱方向と十分な咬合空隙が必要です。
- 傾斜歯は無理な形成より矯正的整直を検討します。
- 歯周外科は歯周所見と歯質露出の必要性がある場合に選択します。