114B055|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

68歳の女性。上下顎義歯の接触音を主訴として来院した。1年前に気付いたがそのままにしていたという。3年前にうつ病と診断され、現在も抗うつ薬を服用している。他に特記すべき既往歴はない。初診時の口もとで繰り返される一連の動きの写真(別冊No. 16)を別に示す。 考えられるのはどれか。1つ選べ。

114B055の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

口唇、舌、下顎などに反復する不随意運動がみられ、義歯の接触音を生じています。このような口腔・顔面の反復性不随意運動はジスキネジアと考えます。

解説

ジスキネジアは、自分の意思とは無関係に生じる異常運動の総称です。口腔顔面領域では、舌を突き出す、口唇をすぼめる・もぐもぐ動かす、頰を動かす、下顎を反復運動させるなどの口・頰・舌運動として現れます。義歯装着者では上下義歯が反復して接触し、接触音、粘膜損傷、義歯の不安定を招くことがあります。

遅発性ジスキネジアはドパミン受容体遮断作用をもつ薬物の長期使用などと関連します。向精神薬の服用歴がある場合は、抗うつ薬という申告だけで判断せず、併用薬、過去の処方、開始時期、用量変更と症状出現時期を確認し、処方医へ情報提供します。薬物を歯科医師や患者の判断で中止してはいけません。

画像の確認

実画像では、連続写真の中で舌の突出、口唇の突出・すぼめ、オトガイ部の緊張を伴う口もとの動きが反復しています。一方向へ持続してねじれる姿勢ではなく、口・頰・舌に次々と現れる不随意運動であり、口腔ジスキネジアの所見です。

選択肢の確認

a.拘縮
誤り。関節や軟組織が短縮・硬化して可動域が制限された状態で、反復性不随意運動ではありません。

b.ジストニア
誤り。持続性または間欠性の筋収縮により、ねじれ運動や異常姿勢を生じる病態です。

c.アロディニア
誤り。通常は痛みを起こさない軽い刺激で痛みを感じる感覚異常です。

d.ジスキネジア
正しい。口唇・舌・下顎などの反復する不随意運動として現れます。

e.Parkinson様症状
誤り。動作緩慢、筋強剛、安静時振戦、姿勢反射障害などが中心で、本例の反復性口腔運動とは異なります。

覚えるポイント

  • 口腔ジスキネジアでは舌突出、口唇運動、咀嚼様運動が反復します。
  • ジストニアは筋収縮によるねじれ・異常姿勢が中心です。
  • 向精神薬の服用歴では全処方と症状の時間関係を確認します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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