114B056|第114回 歯科医師国家試験 過去問
7歳の男児。前歯が咬んでいないことと奥歯が生えてこないことを主訴として来院した。初診時の顔面写真(別冊No. 17A)、口腔内写真(別冊No. 17B)及びエックス線画像(別冊No. 17C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 適切な治療方針はどれか。3つ選べ。

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正解: a・d・e
正答
a、d、e
この問題のポイント
上顎骨の劣成長を伴う成長期の咬合異常には、上顎骨の成長促進を図ります。また、上顎第一大臼歯の異所萌出が第二乳臼歯に阻まれているため、第二乳臼歯を抜去し、第一大臼歯を遠心移動させます。
解説
7歳は顎顔面の成長を利用できる時期です。骨格的に上顎が後方位にある場合は、上顎前方牽引などにより上顎骨の前方成長を促し、上下顎の前後関係を改善します。下顎骨の成長抑制や下顎前歯の舌側傾斜だけでは、原因となる上顎骨の劣成長を適切に改善できません。
パノラマエックス線画像では、上顎第一大臼歯が近心傾斜し、第二乳臼歯遠心面に係止して萌出できない異所萌出を認めます。重度で自然改善が期待しにくい場合は、障害となる第二乳臼歯を抜去し、第一大臼歯を遠心へ誘導して正しい萌出路を確保します。萌出空隙の管理と後継小臼歯への影響も継続評価します。
画像の確認
実画像では、顔貌・セファロ分析から上顎骨の前方成長不足が示され、口腔内では前歯部の咬合不全がみられます。パノラマエックス線画像では上顎両側第一大臼歯が近心傾斜し、第二乳臼歯の遠心部に引っ掛かって萌出が妨げられているため、第二乳臼歯抜去と第一大臼歯の遠心移動が必要です。
選択肢の確認
a.上顎骨の成長促進
正しい。成長期に上顎骨の前方成長を促し、骨格的な前後関係の改善を図ります。
b.下顎骨の成長抑制
誤り。主病態は上顎骨の成長不足であり、下顎成長の抑制を治療の中心にはしません。
c.下顎前歯の舌側傾斜
誤り。歯性のカムフラージュにすぎず、成長期の骨格的上顎劣成長への適切な方針ではありません。
d.上顎両側第二乳臼歯の抜去
正しい。異所萌出した第一大臼歯の萌出を妨げる第二乳臼歯を除去します。
e.上顎両側第一大臼歯の遠心移動
正しい。係止を解除し、第一大臼歯を本来の萌出位置へ誘導します。
覚えるポイント
- 成長期の上顎劣成長には上顎骨の成長促進を考えます。
- 第一大臼歯の異所萌出では、第二乳臼歯への係止を画像で確認します。
- 原因除去後も萌出路、空隙、後継永久歯を継続管理します。
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