114B054|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

25歳の女性。前歯が出ていることを主訴として来院した。診断をした結果、上顎は最大の固定のもと、抜歯を伴うマルチブラケット装置を用いた矯正歯科治療を行うこととした。初診時の顔面写真(別冊No. 15A)、口腔内写真(別冊No. 15B)及びエックス線画像(別冊No. 15C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 適切な抜歯部位(智歯を除く)はどれか。1つ選べ。

114B054の問題画像
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正解: b

正答

b

この問題のポイント

上顎前歯の唇側傾斜と叢生を改善する抜歯矯正では、前歯を後退させる空隙と固定源を確保します。本例は上顎両側第一小臼歯を抜歯し、下顎は歯列・正中の非対称に合わせて左右で第一・第二小臼歯を選び分けます。

解説

口元の突出と上顎前歯の唇側傾斜、叢生を改善するには、小臼歯抜歯で得た空隙を歯の配列と前歯の舌側移動に利用します。「上顎は最大の固定」とあるため、上顎大臼歯の近心移動を抑え、両側第一小臼歯抜歯の空隙を上顎前歯の後退へ優先して使います。

下顎では叢生と歯列正中の偏位が左右で非対称であり、同名歯を左右対称に抜くとは限りません。抜歯部位は、各側で必要な空隙量、犬歯・大臼歯関係、正中の改善方向、前歯後退量を総合して決めます。本例では画像の式で上顎4|4、下顎4|5を示す選択肢bが適切です。

選択肢の分数状の歯式は、上段が上顎、下段が下顎を表し、縦線は左右側の境界です。したがって、bは上顎両側第一小臼歯と、下顎では一側の第一小臼歯・反対側の第二小臼歯を抜去する設計です。

画像の確認

実画像では、側貌に口唇突出があり、口腔内写真では上下顎の叢生と上下歯列正中の不一致がみられます。セファロ分析では上顎中切歯の唇側傾斜が示され、選択肢bの式は上顎両側第一小臼歯と、下顎の左右で第一・第二小臼歯を非対称に抜歯する組合せを示しています。

選択肢の確認

a.選択肢a(問題画像参照)
誤り。画像では上顎両側側切歯と下顎両側第一小臼歯の抜歯であり、健全な上顎側切歯を失い前歯後退用空隙の配分も不適切です。

b.選択肢b(問題画像参照)
正しい。画像では上顎4|4、下顎4|5で、上顎前歯後退用空隙と下顎の非対称改善に対応します。

c.選択肢c(問題画像参照)
誤り。画像では上顎4|4、下顎5|4で、下顎の非対称抜歯の左右が本例に必要な組合せと逆です。

d.選択肢d(問題画像参照)
誤り。画像では上顎4|5、下顎4|4で、上顎を左右非対称に抜歯する設計が本例の最大固定下の前歯後退に適しません。

e.選択肢e(問題画像参照)
誤り。画像では上顎5|4、下顎4|4で、上顎の非対称抜歯の左右が異なり、本例の空隙配分に適しません。

覚えるポイント

  • 第一小臼歯抜歯は、前歯後退のための空隙を確保しやすい選択です。
  • 最大固定では、臼歯部の近心移動を抑えて前歯後退へ空隙を使います。
  • 抜歯部位は正中偏位や叢生の左右差に応じて非対称になることがあります。

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