114B068|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

62歳の男性。上顎左側臼歯部欠損による咀嚼困難を主訴として来院した。診察の結果、上顎部分床義歯を新製することとした。新義歯装着時の口腔内写真(別冊No. 23A)と支台装置の写真(別冊No. 23B)を別に示す。 矢印で示す部位が有するのはどれか。3つ選べ。

114B068の問題画像
3つ選択
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正解: a・d・e

正答

a、d、e

この問題のポイント

矢印部はクラスプの拮抗腕です。維持腕とともに支台歯を囲む囲繞性を構成し、水平力へ抵抗する把持と、維持腕の作用を打ち消す拮抗作用を担います。

解説

クラスプの維持腕は、着脱時にサベイラインを越えてアンダーカットへ入り、義歯の離脱に抵抗します。その際に支台歯へ側方力が加わるため、反対側の拮抗腕が歯面に接触して力を相殺します。拮抗腕は通常、非弾性部としてサベイラインより咬合側に設け、側方的な把持・安定にも寄与します。

また、クラスプアセンブリーが支台歯周囲を180度を超えて囲むことで、歯から外れにくい囲繞性が得られます。垂直的な支持はレストが、直接的な維持力はアンダーカットへ入る維持腕先端が主に担います。

画像の確認

実画像では、上顎部分床義歯の支台装置に、歯冠の反対側を走る金属腕があり、矢印はその拮抗腕を示しています。この腕はアンダーカットへ入る細い維持腕とは位置・形態が異なり、支台歯を囲みながら側方力に抵抗し、維持腕の力を相殺します。

選択肢の確認

a.囲繞性
正しい。維持腕などと合わせて支台歯周囲を180度を超えて囲む構成に寄与します。

b.維持力
誤り。離脱方向への直接的な維持は、アンダーカットへ入る維持腕先端が担います。

c.支持力
誤り。義歯の沈下へ抵抗する支持は主にレストが担います。

d.把持力
正しい。支台歯の側方移動に抵抗し、義歯を安定させます。

e.拮抗作用
正しい。維持腕が支台歯へ加える側方力を反対側から相殺します。

覚えるポイント

  • 維持腕は維持、拮抗腕は把持と拮抗を担います。
  • 支持は主にレストが担います。
  • クラスプは支台歯を180度を超えて囲む囲繞性が必要です。

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