114C066|第114回 歯科医師国家試験 過去問
40歳の女性。よく嚙めないことを主訴として来院した。診察と検査の結果、上顎右側臼歯欠損部にインプラント義歯による治療を行うこととし、インプラント埋入前にある処置を行った。初診時と処置後のエックス線画像(別冊No. 27)を別に示す。 この処置の目的はどれか。1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
上顎臼歯欠損部では、抜歯後の歯槽骨吸収と上顎洞の含気化により、インプラント埋入に必要な垂直的骨高径が不足することがあります。上顎洞底挙上術は洞粘膜を挙上し、洞底側へ骨補塡材を置いて垂直的骨量を増やします。
解説
上顎洞底挙上術では、上顎洞粘膜を穿孔しないよう慎重に剝離・挙上し、その下方に骨形成のための空間を確保します。既存骨高径により側方アプローチや歯槽頂アプローチを選択し、インプラントを同時または二期的に埋入します。目的はインプラント周囲に必要な高さの骨を確保することで、既存骨自体の骨質を変える処置でも、骨結合を自動的に早める処置でもありません。
画像の確認
実画像では、初診時の上顎右側臼歯欠損部で上顎洞底が低位にあり、歯槽頂との間の骨高径が小さく見えます。処置後には上顎洞底部にドーム状のエックス線不透過像が加わり、洞底が挙上されてインプラント埋入方向の垂直的骨量が増えています。
選択肢の確認
a.咬合高径の確保
誤り。咬合高径は補綴装置の咬合関係で設定し、洞底挙上術の目的ではありません。
b.治療期間の短縮
誤り。骨造成後の治癒期間が必要となり、処置そのものが治療期間短縮を目的としません。
c.既存骨の骨質改善
誤り。新たな骨形成空間を作る処置で、既存骨の密度・骨質を直接改善するものではありません。
d.骨結合の早期獲得
誤り。骨結合の速度を直接高めるのではなく、埋入に必要な骨量を確保します。
e.垂直的骨量の増加
正しい。上顎洞底を挙上し、臼歯部のインプラント埋入に必要な骨高径を増加させます。
覚えるポイント
- 上顎洞底挙上術は、上顎臼歯部の垂直的骨量不足に行います。
- 骨量と骨質、骨造成と骨結合速度を混同しないようにします。
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