114C067|第114回 歯科医師国家試験 過去問
34歳の女性。かかりつけ歯科医にエックス線検査で病変を指摘され、精査を希望して来院した。自覚症状はないという。初診時のエックス線画像(別冊No. 28A)、CT(別冊No. 28B)、MRI(別冊No. 28C)及び生検時のH-E染色病理組織像(別冊No. 28D)を別に示す。 適切な治療法はどれか。1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
顎骨内に広がる多房性透過性病変と、粘液状間質に星芒状・紡錘形細胞が疎に分布する病理像は歯原性粘液腫を示します。被膜が不明瞭で骨梁間へ浸潤しやすいため、広範な病変では十分な安全域を設けた切除が必要です。
解説
歯原性粘液腫は良性歯原性腫瘍ですが、局所浸潤性があり、単純な搔爬や摘出では再発しやすい性質があります。エックス線では単房性または多房性透過像を示し、細い骨梁が残ることがあります。小さな病変では保存的手術を検討する場合もありますが、本例のように下顎骨体部へ広く進展し皮質骨を菲薄化させた病変には、下顎区域切除による確実な切除が適します。
画像の確認
実画像では、パノラマ画像とCTで左側下顎骨体部に広い多房性エックス線透過像があり、皮質骨は膨隆・菲薄化しています。MRIでは病変が高信号を含む不均一な像として描出され、H-E染色では疎な粘液状基質の中に星芒状ないし紡錘形細胞が散在しています。
選択肢の確認
a.開窓
誤り。囊胞内圧を減らす処置で、浸潤性の歯原性粘液腫を根治できません。
b.摘出
誤り。病変が広範で境界部が骨梁間へ入り込むため、単純摘出では再発リスクが高くなります。
c.塞栓療法
誤り。血管性病変の血流制御に用いる方法で、病理像は血管性腫瘍ではありません。
d.放射線療法
誤り。良性歯原性腫瘍である歯原性粘液腫の標準的治療ではありません。
e.下顎区域切除
正しい。広範な浸潤性病変を安全域とともに切除し、再発を抑えます。
覚えるポイント
- 粘液状間質に星芒状細胞が散在する顎骨病変は歯原性粘液腫です。
- 広範な歯原性粘液腫は、単純摘出より区域切除を検討します。
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