114C082|第114回 歯科医師国家試験 過去問
70歳の女性。食事がしにくいことを主訴として来院した。1週前に上顎全部床義歯を装着したが、装着後から食物が飲み込みにくいという。咀嚼と発音に問題はない。診察と検査の結果、チェアサイドで上顎義歯の修正を行うこととした。修正前後の義歯の写真(別冊No. 37A)と修正中のある技工操作の写真(別冊No. 37B)を別に示す。 この操作の目的はどれか。1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
上顎全部床義歯装着後に咀嚼・発音は良好でも食塊の送り込みが困難な場合、舌と口蓋部義歯床の接触不足を考えます。口蓋面へ材料を添加して舌接触面を形成し、食塊を後方へ移送しやすくします。
解説
舌の運動範囲や筋力が低下すると、通常の口蓋形態では舌が義歯床へ十分に届かず、食塊形成・口腔後方移送が困難になります。口蓋部を機能的に厚くする舌接触補助床の考え方を応用し、軟化材料で舌運動時の形態を採得した後にレジンへ置換します。咀嚼や発音に問題がないという情報から、咬合力・義歯の安定・発音を目的とする修正ではなく、嚥下時の舌口蓋接触を改善する操作と判断します。
画像の確認
実画像では、修正後の上顎全部床義歯で口蓋側研磨面が修正前より厚く形成され、舌が接触しやすい形態へ変化しています。技工操作中の写真では口蓋面の広い範囲に青色材料を盛り、舌運動に応じた接触面を記録・形成しています。
選択肢の確認
a.咬合力の増大
誤り。咬合面や人工歯の調整ではなく、口蓋側の義歯床形態を修正しています。
b.床の強度増加
誤り。補強線や金属構造を追加する操作ではなく、機能的な口蓋面形成です。
c.義歯の安定向上
誤り。床縁や粘膜面の適合を改めるリラインではなく、舌が接する研磨面を変えています。
d.発音機能の改善
誤り。発音には問題がないとされ、主訴は食物の嚥下困難です。
e.舌と床の接触関係の改善
正しい。口蓋面を舌が接触できる形にし、食塊の保持と後方移送を助けます。
覚えるポイント
- 舌接触補助床は、舌と口蓋の接触を補って食塊移送を助けます。
- 義歯のどの面を修正しているかから、目的を判断します。
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