114D030|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

65歳の女性。咀嚼困難を主訴として来院した。上下顎治療用義歯を装着し、咀嚼困難は改善したが、舌感の不満を訴えている。装着した下顎治療用義歯の写真(別冊No. 4A)と上下顎治療用義歯装着時の口腔内写真(別冊No. 4B)を別に示す。 最終義歯を製作する際に考慮すべきなのはどれか。1つ選べ。

114D030の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

咀嚼機能は改善した一方、下顎治療用義歯の幅広い舌側床に舌感の不満があります。最終義歯では舌側の被覆を減らすリンガルバーへ変更します。

解説

下顎部分床義歯の大連結子にはリンガルプレートとリンガルバーなどがあります。リンガルプレートは前歯舌面を広く覆うため、支持・把持や将来の増歯には有利ですが、厚みや被覆範囲によって舌感や発音に影響することがあります。リンガルバーは舌側歯肉から離して棒状に設けるため、歯面被覆が少なく舌感を改善できます。

本例では治療用義歯により咀嚼困難は改善し、主訴は舌感です。最終義歯では口腔底までの垂直的スペースや歯周組織の状態を確認したうえで、リンガルバーを選択するのが合理的です。咬合高径、床後縁、間接支台装置、クラスプ材料を変えても、前歯部舌側の広い被覆という原因を直接解消しません。

画像の確認

実画像では、Aの下顎治療用義歯で前歯部舌側を横断する幅広いレジン製の大連結部と両側の支台装置が確認できます。Bの装着像でも舌に近い下顎前歯舌側が広く覆われており、咀嚼は改善していても舌感の不満を生じる形態であることが分かります。

選択肢の確認

a.咬合の挙上
誤り。
咀嚼困難は改善しており、舌側被覆による違和感を咬合高径の変更では解消できません。

b.義歯床後縁の短縮
誤り。
舌感の原因は写真で示された前歯部舌側の大連結部で、床後縁ではありません。

c.間接支台装置の追加
誤り。
義歯の回転離脱防止には有効ですが、舌側被覆を減らす処置ではありません。

d.リンガルバーへの変更
正しい。
前歯舌面の被覆を減らし、必要な大連結子機能を保ちながら舌感の改善を図れます。

e.ワイヤークラスプへの変更
誤り。
クラスプの材料・形態変更は、前歯部舌側の広い被覆による不満を直接改善しません。

覚えるポイント

  • リンガルプレートは歯面被覆が広く、舌感に影響することがあります。
  • リンガルバーは被覆が少ない大連結子です。
  • 選択には口腔底までのスペース、歯周状態、支持・把持の必要性を考慮します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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