114D031|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

12歳の男児。前歯で食物が咬みにくいことを主訴として来院した。診断をした結果、ある装置を用いて矯正歯科治療を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 5A)と装置装着時の口腔内写真(別冊No. 5B)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 装置の誘導面の形成部位で適切なのはどれか。4つ選べ。

114D031の問題画像
4つ選択
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正解: a・b・c・e

正答

a、b、c、e

この問題のポイント

上顎前突に用いるアクチバトールでは、上顎前歯の舌側移動、下顎の前方成長誘導、臼歯の挺出を図る部位に誘導面を形成します。

解説

本例は上顎前歯の唇側傾斜と下顎の後退を伴う上顎前突で、前方位に構成咬合を採得したアクチバトールが用いられています。装置を装着した下顎が元の後方位へ戻ろうとする筋力を利用し、上顎前歯舌側相当部と上顎臼歯近心相当部の誘導面を介して、上顎前歯の舌側傾斜と下顎の成長誘導を図ります。

前後関係の改善後に生じる臼歯部離開には、上下顎臼歯咬合面相当部を選択的に削合して誘導面を作り、臼歯の挺出を促します。下顎前歯舌側面相当部へ誘導面を形成すると下顎前歯を不必要に唇側へ押すおそれがあり、本例の目的には適しません。

画像の確認

実画像では、Aで大きなオーバージェットと前歯部の咬合不全がみられ、セファロ分析でも上顎中切歯の著しい唇側傾斜と下顎の後方位が示されています。Bでは上下歯列間に一塊のレジン床を置き、下顎を前方位に保持するワイヤー付きアクチバトールが装着されています。

選択肢の確認

a.上顎前歯の舌側面相当部
正しい。
上顎前歯を舌側傾斜させ、過大なオーバージェットを改善する作用点になります。

b.上顎臼歯の近心面相当部
正しい。
下顎と装置が後方へ戻ろうとする際の誘導面となり、装置の機能力を上顎歯列へ伝えます。

c.上顎臼歯の咬合面相当部
正しい。
選択的な削合で上顎臼歯の挺出を誘導し、臼歯部咬合を確立します。

d.下顎前歯の舌側面相当部
誤り。
下顎前歯を唇側へ傾斜させる力となり、本例の誘導面には適しません。

e.下顎臼歯の咬合面相当部
正しい。
上顎臼歯咬合面相当部とともに削合し、下顎臼歯の挺出と咬合確立を誘導します。

覚えるポイント

  • アクチバトールは筋力と構成咬合位を利用する機能的矯正装置です。
  • 上顎前突では上顎前歯の舌側傾斜と下顎成長誘導を図ります。
  • 臼歯咬合面部の選択的削合で臼歯の挺出を誘導します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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