114D033|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

82歳の女性。義歯の維持安定不良による咀嚼困難を主訴として来院した。使用中の義歯は8年前に装着したという。診察と検査の結果、旧義歯にある前処置を行った後に新義歯を製作することとした。初診時の旧義歯装着前後の口腔内写真(別冊No. 6A)、旧義歯の写真(別冊No. 6B)、前処置中と前処置後の旧義歯の写真(別冊No. 6C)及び前処置後の旧義歯装着時の口腔内写真(別冊No. 6D)を別に示す。 この前処置の目的はどれか。1つ選べ。

114D033の問題画像
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正解: c

正答

c

この問題のポイント

旧義歯の人工歯咬合面へレジンを添加して咬合を作り直す前処置は、長期使用で不適切になった顎間関係の修正を目的とします。

解説

長期間使用した全部床義歯では、人工歯の咬耗や顎堤吸収により咬合高径が低下し、水平的な顎位も不安定になることがあります。そのまま新義歯の顎間関係を決めると、患者の習慣性閉口位に影響されて誤った記録となり得ます。そこで旧義歯を治療用義歯として利用し、咬合面に即時重合レジンなどを添加して適切な垂直的・水平的顎間関係を回復させます。

修正した義歯を一定期間使用して筋・顎関節を順応させ、安定した下顎位を確認してから新義歯を製作します。人工歯の補強や審美、発音だけを目的とした処置ではなく、上下顎の位置関係を診断・修正する前処置です。

画像の確認

実画像では、Bの旧義歯で人工歯の咬耗がみられ、Cでは下顎人工歯の切縁・咬合面へ白色材料を盛り足して咬合面を再形成しています。処置後のDでは処置前の旧義歯装着像と比べて上下顎間の距離と前歯関係が変化しており、顎間関係を修正したことが確認できます。

選択肢の確認

a.人工歯の補強
誤り。
材料は咬合面の形態・高さを変更するために添加され、破折防止の補強が主目的ではありません。

b.審美性の改善
誤り。
前歯の色や排列を審美的に作り直す処置ではありません。

c.顎間関係の修正
正しい。
咬合面を再形成して咬合高径と水平的顎位を整え、新義歯製作前に安定させます。

d.発音機能の向上
誤り。
顎間関係の修正に伴い改善する可能性はありますが、写真の処置の直接目的ではありません。

e.下顎義歯の浮き上がり防止
誤り。
義歯床辺縁や咬合の調整は安定に影響しますが、本処置は浮き上がりだけを防ぐものではありません。

覚えるポイント

  • 旧義歯は新義歯前の治療用義歯として利用できます。
  • 人工歯咬合面への材料添加で咬合高径と水平的顎位を修正します。
  • 安定した顎間関係を確認してから最終義歯へ移行します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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