114D046|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科医学総合総合問題

68歳の男性。食事に時間がかかることを主訴として来院した。6か月前に脳梗塞を発症したという。プリンを用いてフードテストを行った後の口腔内写真(別冊No. 11)を別に示す。 疑われるのはどれか。1つ選べ。

114D046の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

プリン嚥下後に硬口蓋へ多量の残留があるため、食塊を口蓋へ押し付けて後方へ送る舌運動機能の低下が疑われます。

解説

フードテストでは一定性状の食品を摂取した後、口腔内の残留部位や量を観察します。舌は食物を集めて唾液と混和し、口蓋との間で押しつぶし、まとまった食塊を咽頭へ送り込みます。脳梗塞後に舌の挙上・側方運動・後方移送が低下すると、口蓋や歯列周囲に食品が残り、食事時間が延長します。

本例ではプリンという咀嚼をほとんど必要としない食品が口蓋に残っています。したがって咬合力、歯の咬合接触、下顎運動よりも舌による清掃・移送機能の障害が中心です。口唇閉鎖不良なら前方からの流出や口腔前庭部の残留が手掛かりになります。

画像の確認

実画像では、フードテスト後の黄色いプリンが前方から側方の硬口蓋に帯状・塊状に広く残留しています。軟らかい食品を舌背で口蓋へ押し付け、後方へ一掃できていない分布であり、舌運動機能低下を示します。

選択肢の確認

a.咬合力の低下
誤り。
プリンは強い咬合力を要さず、口蓋残留の直接原因にはなりません。

b.咬合接触の不良
誤り。
咀嚼をほぼ必要としない食品であり、咬合接触より食塊移送が問題です。

c.口唇閉鎖の不良
誤り。
口唇閉鎖不良では口腔外への漏れや前方残留が中心となります。

d.舌運動機能の低下
正しい。
舌の挙上と後方移送が不十分なため、プリンが口蓋に残留しています。

e.下顎運動機能の低下
誤り。
下顎の咀嚼運動より、舌と口蓋による食塊処理の所見が明らかです。

覚えるポイント

  • 口蓋残留は舌の挙上・後方移送低下を示します。
  • 軟らかい食品を使うと咬合・咀嚼の影響を小さくできます。
  • 残留の量だけでなく部位から障害機能を推定します。

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