114D047|第114回 歯科医師国家試験 過去問
無歯顎患者の作業用模型の写真(別冊No. 12)を別に示す。 矢印で示す解剖学的指標を用いて設定するのはどれか。3つ選べ。

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正解: a・b・e
正答
a、b、e
この問題のポイント
矢印は切歯乳頭です。無歯顎でも比較的変化しにくいため、正中線、前方咬合平面、中切歯排列位置の基準になります。
解説
切歯乳頭は上顎中切歯の口蓋側、切歯孔付近にある粘膜隆起です。抜歯後の顎堤吸収の影響を比較的受けにくく、有歯時の上顎前歯との位置関係を推定できる解剖学的指標です。乳頭の中央を通る線は正中の参考となり、乳頭から一定距離前方に上顎中切歯唇面、一定距離下方に切縁を設定することで排列位置と前方咬合平面を決めます。
歯槽頂線は模型上の顎堤頂を連ねて定め、切歯乳頭だけから設定するものではありません。口唇接合線は患者の口唇を観察して咬合床へ記録する軟組織の基準であり、作業用模型上の切歯乳頭から直接設定しません。
画像の確認
実画像では、上顎無歯顎模型の前方正中、顎堤の口蓋側に小さな楕円形の隆起があり、黄色矢印がその切歯乳頭を指しています。左右の口蓋皺襞の前方中央に位置し、正中と上顎中切歯の元の位置を推定できる形態です。
選択肢の確認
a.正中線
正しい。
切歯乳頭の中央は、上顎前歯部の正中を設定する参考になります。
b.咬合平面
正しい。
乳頭との垂直的位置関係を用いて、前歯部の咬合平面高を設定できます。
c.歯槽頂線
誤り。
顎堤の最も高い部位を連ねて設定する線で、切歯乳頭を基準とはしません。
d.口唇接合線
誤り。
患者の安静時・閉口時の口唇位置を咬合床上へ記録して設定します。
e.中切歯の排列位置
正しい。
切歯乳頭から唇側・下方への距離を参考に上顎中切歯を排列します。
覚えるポイント
- 切歯乳頭は無歯顎でも比較的安定した前歯排列の指標です。
- 正中、中切歯唇面・切縁位置、前方咬合平面の参考になります。
- 歯槽頂線と口唇接合線は別の指標から設定します。
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