115A042|第115回 歯科医師国家試験 過去問
全身麻酔時の喉頭痙攣の特徴はどれか。 2つ選べ。
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正解: b・d
正答
b、d
この問題のポイント
喉頭痙攣は声門が反射性に閉鎖して換気できなくなる気道緊急事態です。関与する神経、収縮する筋、危険因子、持続時の血液ガス変化を確認します。
解説
喉頭痙攣は、分泌物、血液、吸引刺激、抜管刺激などを契機に喉頭閉鎖反射が過剰に起こり、声門が閉鎖する状態です。麻酔が浅い時期、特に導入時や覚醒・抜管時に生じやすく、上気道炎がある患者では気道反応性が亢進して発症リスクが上昇します。
初期対応では刺激を中止し、下顎挙上などで気道を確保して100%酸素を用いた持続陽圧換気を行います。解除されない重症例では、作用発現の速い筋弛緩薬を投与して喉頭筋の強い収縮を解除します。
喉頭への感覚入力は主に迷走神経の枝である上喉頭神経を介し、運動出力も迷走神経系を介します。舌下神経反射ではありません。また、声門を開く筋ではなく、声門を閉じる内転筋群の収縮が本態です。
全身管理上の注意点
喉頭痙攣が続くと換気不能により低酸素血症と高二酸化炭素血症が進行します。陰圧性肺水腫を合併することもあるため、解除後も呼吸状態を観察します。
選択肢の確認
a.舌下神経を介して生じる。
誤り。
喉頭反射の求心路・遠心路は主に迷走神経系です。舌下神経は主として舌筋の運動を支配し、喉頭痙攣の中心的な反射経路ではありません。
b.筋弛緩薬の投与が有効である。
正しい。
酸素投与と持続陽圧換気で解除できない重症喉頭痙攣では、筋弛緩薬によって声門閉鎖筋の収縮を解除することが有効です。
c.声門開大筋群の収縮で生じる。
誤り。
喉頭痙攣は声門閉鎖筋群の反射性収縮で生じます。声門開大筋の代表である後輪状披裂筋の収縮は、むしろ声門を開く方向に働きます。
d.上気道炎を伴うと発症率は上昇する。
正しい。
上気道炎では気道粘膜が過敏になり、分泌物も増えるため、麻酔中の刺激による喉頭痙攣が起こりやすくなります。
e.長時間持続すると低二酸化炭素血症を生じる。
誤り。
換気が妨げられるため二酸化炭素を排出できず、長時間持続すると高二酸化炭素血症を生じます。同時に低酸素血症も進行します。
覚えるポイント
- 喉頭痙攣は声門閉鎖筋群の反射性収縮です。
- 危険因子には浅麻酔、気道刺激、分泌物、上気道炎などがあります。
- 持続時は低酸素血症・高二酸化炭素血症となり、重症例では筋弛緩薬を用います。