115A060|第115回 歯科医師国家試験 過去問
酸性NSAIDs で誘発される喘息発作に関与するのはどれか。 2つ選べ。
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正解: a・e
正答
a、e
この問題のポイント
酸性NSAIDsで誘発される喘息は、IgEを介する薬物アレルギーではなく、COX-1阻害によるアラキドン酸代謝の偏りとロイコトリエン増加で起こります。
解説
酸性NSAIDsは、シクロオキシゲナーゼを阻害してプロスタグランジン産生を抑えます。NSAIDs過敏喘息では、特にCOX-1阻害によって気道保護に関わるプロスタグランジンE2が減少し、アラキドン酸代謝が5-リポキシゲナーゼ経路へ偏ります。
その結果、システイニルロイコトリエンが増加します。ロイコトリエンは強い気管支収縮、気道粘膜浮腫、粘液分泌増加を引き起こし、喘息発作や鼻症状を誘発します。
この反応は一般的なIgE依存性の抗原抗体反応ではなく、薬理学的機序による交差過敏反応です。そのため、化学構造が異なるNSAIDsでも、COX-1阻害作用が強ければ反応することがあります。
歯科診療上のポイント
NSAIDsで喘息や鼻症状を起こした既往がある患者では、同系統薬の安易な投与を避けます。鎮痛薬の選択は既往歴、発作の重症度、代替薬への反応を踏まえて行います。
選択肢の確認
a.COX-1 阻害
正しい。
NSAIDs過敏喘息の中心的な機序です。COX-1阻害によってプロスタグランジン産生が低下し、ロイコトリエン経路への偏りが生じます。
b.抗原抗体反応
誤り。
典型的なNSAIDs過敏喘息は、特定薬物に対するIgE依存性抗原抗体反応ではありません。COX-1阻害という薬理作用が中心です。
c.オプソニン効果
誤り。
オプソニン効果は、抗体や補体が病原体表面に結合し、食細胞による貪食を促進する免疫機構です。NSAIDs誘発喘息の機序ではありません。
d.抗ヒスタミン作用
誤り。
抗ヒスタミン作用はヒスタミン受容体を遮断する作用であり、NSAIDs誘発喘息を起こす機序ではありません。
e.ロイコトリエンの増加
正しい。
アラキドン酸代謝が5-リポキシゲナーゼ経路へ偏り、気管支収縮作用の強いシステイニルロイコトリエンが増加します。
覚えるポイント
- NSAIDs過敏喘息の基本はCOX-1阻害 → ロイコトリエン増加 → 気管支収縮です。
- 典型例はIgE依存性の抗原抗体反応ではありません。
- 歯科では鎮痛薬処方前に、NSAIDsでの喘息発作・鼻症状の既往を確認します。