115B011|第115回 歯科医師国家試験 過去問
顎関節症のクリック音について正しいのはどれか。 1つ選べ。
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正解: d
正答
d
この問題のポイント
顎関節のクリック音は、前方転位した関節円板が下顎運動中に復位するときに生じる、比較的短く明瞭な関節雑音です。
解説
正常な顎関節では、関節円板は下顎頭と側頭骨の間に位置し、開閉口運動に伴って下顎頭と協調して移動します。
関節円板が前方へ転位していても、開口途中で下顎頭が円板の後方肥厚部を乗り越え、円板との正常な位置関係を回復することがあります。この瞬間に生じる短く明瞭な音がクリックです。この病態を復位性関節円板前方転位といいます。
開口時に復位音、閉口時に再転位音が生じるものを相反性クリックといいます。進行して円板が復位しなくなると、クリックが消失して開口障害を生じることもあります。
ひっかけポイント
クリックはカクッという単発音、クレピタスはザラザラ・ジャリジャリという連続性の摩擦音と区別します。
選択肢の確認
a.関節円板の 穿孔が原因である。
誤り。
関節円板穿孔や変形性顎関節症では、骨・軟組織の摩擦によるクレピタスを生じることがあります。典型的なクリックの原因は、転位円板の復位です。
b.患者は「ザラザラ」という言葉で表現する。
誤り。
「ザラザラ」という表現は、変形性変化などで生じるクレピタスに対応します。クリックは一般に「カクッ」「コキッ」などの短い音として表現されます。
c.音がしなければ関節円板の位置は正常である。
誤り。
非復位性関節円板前方転位では、円板が復位しないためクリックが聞こえないことがあります。関節音がないことだけで円板位置が正常とは判断できません。
d.転位した関節円板が復位するときに発生する。
正しい。
前方転位した関節円板が開口途中で下顎頭上へ復位するとき、短く明瞭なクリック音が発生します。
e.相反性クリックは関節結節を越えるときに発生する。
誤り。
相反性クリックは、開口時の円板復位と閉口時の再転位によって生じます。下顎頭が関節結節を越えること自体を意味するものではありません。
覚えるポイント
- クリックは復位性関節円板前方転位で生じます。
- 相反性クリックは、開口時の復位音と閉口時の再転位音です。
- クレピタスは変形性変化などでみられる連続性の摩擦音です。