115C006第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

寝たきりの要介護高齢者において誤嚥のリスクが最も高い処置はどれか。 1つ選 べ。

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正解: c

正答

c

この問題のポイント

寝たきりで嚥下機能が低下した患者では、大量の注水と切削粉を生じる処置ほど誤嚥リスクが高くなります。

解説

生活歯の支台歯形成では、高速回転切削器具を用い、歯髄の熱障害を防ぐために十分な注水を行います。口腔内には水、唾液、切削粉が持続的に生じるため、嚥下反射や咳反射が低下した寝たきり高齢者では咽頭へ流入しやすく、誤嚥の危険が高くなります。

処置時には、可能な範囲で上体を起こし、頭部を軽く前傾させ、強力な吸引を確実に行います。ラバーダムや咽頭部の防護、短時間での処置、休憩の確保なども患者の状態に応じて検討します。

医療安全上のポイント
誤嚥リスクは、処置で発生する水分量、異物の大きさ、患者の姿勢、嚥下・咳反射、吸引の可否を組み合わせて評価します。

選択肢の確認

a.仮 封
誤り。
仮封材の誤飲・誤嚥には注意が必要ですが、通常は支台歯形成ほど大量の注水と切削粉を持続的に発生させません。

b.義歯の調整
誤り。
義歯の削合は原則として口腔外で行います。試適時の脱落には注意しますが、支台歯形成より誤嚥リスクは低い処置です。

c.生活歯の支台歯形成
正答。最も誤嚥リスクが高い処置です。
高速切削と多量の注水により、水、唾液、歯質切削粉が咽頭へ流れ込みやすくなります。嚥下機能低下患者では厳重な吸引と体位管理が必要です。

d.ハンドスケーラーによる除石
誤り。
剝離した歯石片の誤嚥には注意しますが、ハンドスケーラーでは大量の注水を必要とせず、支台歯形成よりリスクは低くなります。

e.スポンジブラシによる口腔粘膜清掃
誤り。
保湿剤や汚染物を過剰に使用すれば誤嚥の危険はありますが、吸引を併用し少量ずつ行えば、支台歯形成ほど高いリスクではありません。

覚えるポイント

  • 高速切削と注水を伴う処置は誤嚥リスクが高くなります。
  • 寝たきり患者では体位・吸引・処置時間を調整します。
  • 水だけでなく、切削粉や小器具の誤嚥・誤飲にも注意します。

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