115C058|第115回 歯科医師国家試験 過去問
上顎腫瘍切除後、左側口蓋部の広範欠損を有する患者の口腔内写真 (別冊No. 20 A 、ある装置の粘膜面観の写真 (別冊No. 20B 及び装置装着後の口腔内写真 (別冊 No. 20C を別に示す。 この装置により改善されるのはどれか。 3つ選べ。

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正解: a・b・d
正答
a、b、d
この問題のポイント
上顎腫瘍切除後の広範な口蓋欠損を閉鎖する装置は顎義歯・オブチュレーターです。口腔と鼻腔の交通を遮断し、嚥下、構音、鼻咽腔閉鎖機能を改善します。
解説
写真では左側口蓋部に広い欠損があり、口腔と鼻腔または上顎洞が交通しています。装置の欠損部に対応する部分が欠損腔を閉鎖する栓塞部となっています。
口蓋欠損があると、食物や飲水が鼻腔へ漏れ、嚥下が困難になります。また、発音に必要な口腔内圧を作れず、開鼻声や構音障害を生じます。
オブチュレーターで欠損を閉鎖すると、口腔と鼻腔が分離されます。その結果、食塊の送り込みと嚥下が改善し、口腔内圧を利用する構音も改善します。また、鼻腔への空気漏れを減らし、鼻咽腔閉鎖機能を補助します。
画像の確認
実画像では、左上顎口蓋部に鼻腔・上顎洞へ通じる大きな欠損があり、顎義歯にはその空間を閉鎖する膨隆した栓塞部が付いている。装着後には欠損が閉鎖され歯列も回復しており、嚥下・構音と鼻咽腔閉鎖の改善を示す正答a、b、dを支える。
選択肢の確認
a.嚥 下
正しい。
口腔から鼻腔への食物・水分の漏出を防ぎ、食塊形成と咽頭への送り込みを改善します。
b.構 音
正しい。
口腔内圧を形成できるようになり、破裂音や摩擦音などの構音と共鳴が改善します。
c.開口量
誤り。
開口量は顎関節、咀嚼筋、瘢痕拘縮などに左右されます。口蓋欠損を閉鎖する装置の直接的効果ではありません。
d.鼻咽腔閉鎖
正しい。
口腔と鼻腔の異常交通を遮断し、鼻腔への空気漏れを減らすことで、鼻咽腔閉鎖機能を補助します。
e.開閉口運動路
誤り。
開閉口運動路は顎関節や咀嚼筋の機能に関係します。オブチュレーターの主な改善対象ではありません。
覚えるポイント
- オブチュレーターは口蓋欠損を閉鎖する顎補綴装置です。
- 嚥下、構音、鼻咽腔閉鎖を改善します。
- 開口量や下顎運動路を直接改善する装置ではありません。