116A037第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

84 歳の女性。上下顎全部床義歯の維持安定不良と上顎前歯部顎堤の咀嚼時疼痛 を主訴として来院した。義歯は10 年以上前に製作したが、5 年前から外れやすく なり数回のリラインが施されたという。上下顎義歯の写真(別冊No. 7A)、上顎義 歯の後縁方向からの写真(別冊No. 7B)及び義歯装着時の口腔内写真(別冊No. 7 C)を別に示す。 適切な対応はどれか。2 つ選べ。

116A037の問題画像
2つ選択
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正解: a・b

正答

a、b

この問題のポイント

長期使用と繰り返すリラインで適合・咬合・義歯形態が大きく変化した全部床義歯では、局所的修理だけでなく再製作の必要性を判断します。

解説

10年以上使用し、5年前から外れやすく、複数回リラインされていることから、義歯床の適合だけでなく、人工歯の咬耗、咬合高径、咬合平面、床縁形態などが総合的に不良となっている可能性があります。

まず疼痛や不安定の原因となる咬合を改善するため咬合面再形成を行い、長期的には現在の顎堤と顎間関係に合わせて新義歯を製作するのが適切です。

画像の確認

実画像では、上下全部床義歯の人工歯咬合面が長期使用で広く平坦化し、粘膜面には複数回の裏装を思わせる不均一な層がある。装着像でも咬合平面と接触の不調和がみられ、咬合面再形成と新義歯製作を選ぶ正答a、bを支える。

選択肢の確認

a.咬合面再形成
正答。適切な対応です。
咬合面再形成により偏った接触や咬合の不調和を修正し、顎堤への疼痛性負担と義歯の転覆を減らします。

b.新義歯の製作
正答。適切な対応です。
長期使用と複数回のリラインから、現義歯の部分修正には限界があり、新義歯の製作が適切です。

c.金属口蓋床の除去
本症例の中心的対応ではありません。
金属口蓋床を除去すると義歯の強度や薄さなどの利点を失います。金属床そのものが問題と断定できず、適切な対応ではありません。

d.ポストダムの付与
本症例の中心的対応ではありません。
ポストダム付与は上顎義歯後縁封鎖に有効な場合がありますが、本症例の全体的な咬合・適合不良を解決する中心的対応ではありません。

e.リップサポートの改善
本症例の中心的対応ではありません。
リップサポートの改善が必要な症例はありますが、設問の疼痛と維持安定不良に対する正答としては選ばれません。

覚えるポイント

  • 長期使用義歯では咬耗、適合、咬合高径を総合評価します。
  • 咬合面再形成で有害な接触を修正します。
  • 繰り返すリラインで限界がある場合は新義歯を製作します。

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