116B002第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯周病学

顎骨内に発生した囊胞のH-E 染色病理組織像(別冊No. 2)を別に示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

116B002の問題画像
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正解: c

正答

c

この問題のポイント

囊胞壁を裏装する上皮の厚さ、角化様式、表面形態、基底細胞の配列が診断の鍵です。

解説

病理組織像では、囊胞腔側に波状の錯角化層を伴う比較的薄く均一な重層扁平上皮がみられ、基底細胞は核が濃染して柵状に配列しています。これは歯原性角化囊胞の代表的な組織像です。歯原性角化囊胞は顎骨内を前後方向に進展しやすく、摘出後も再発しやすいため、長期経過観察が重要です。

病理像で見るポイント
歯原性角化囊胞では、薄く均一な上皮、波状の錯角化、基底細胞の柵状配列を一組で確認します。炎症が強い部位では典型像が崩れることがあるため、保存された部分を観察します。

画像の確認

実画像では、囊胞壁の裏装上皮は比較的薄く厚さがそろい、腔側表面に波状の角化層がみえる。基底側には濃染した核が一列に並ぶ柵状配列が確認でき、この組合せが歯原性角化囊胞の正答判断につながる。

選択肢の確認

a.歯根囊胞
誤り。設問の所見とは一致しにくい疾患です。
歯根囊胞は失活歯の根尖部に生じ、囊胞壁は炎症性肉芽組織と非角化重層扁平上皮を示すことが多く、波状錯角化と基底細胞の柵状配列は典型的ではありません。

b.含歯性囊胞
誤り。設問の所見とは一致しにくい疾患です。
含歯性囊胞は未萌出歯の歯冠を包み、通常は薄い非角化重層扁平上皮で裏装されます。提示像の角化上皮とは異なります。

c.歯原性角化囊胞
正答。最も考えられます。
薄い錯角化重層扁平上皮、波状の角化表面、基底細胞の柵状配列がそろい、歯原性角化囊胞に一致します。

d.側方性歯周囊胞
誤り。設問の所見とは一致しにくい疾患です。
側方性歯周囊胞は生活歯の側方に生じる小型囊胞で、上皮は薄い非角化性で限局性の上皮肥厚や明細胞をみることがあります。

e.石灰化歯原性囊胞
誤り。設問の所見とは一致しにくい疾患です。
石灰化歯原性囊胞ではゴースト細胞や石灰化物が重要所見です。提示像ではそれらより角化囊胞に特徴的な上皮構造が目立ちます。

覚えるポイント

  • 波状錯角化、薄い上皮、基底細胞の柵状配列は歯原性角化囊胞。
  • 歯原性角化囊胞は再発に注意し、長期経過観察を行う。
  • ゴースト細胞は石灰化歯原性囊胞を考える所見である。

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