116B025第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

45 歳の女性。下顎右側第一大臼歯が欠けたことを主訴として来院した。約10 年 前に修復処置を受け症状なく経過していたが、昨日、食事中に破折したという。歯 髄電気診で軽度の閾値低下を認めるが冷温痛はない。診察の結果、IPC 法を行うこ ととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 8A)、エックス線画像(別冊No. 8B)及 び覆髄剤貼付直後の写真(別冊No. 8C)を別に示す。使用する材料の略号を表に示 す。 材 料 略 号 酸化亜鉛ユージノールセメント Ez コンポジットレジン CR 従来型グラスアイオノマーセメント 従GIC 光硬化型グラスアイオノマーセメント 光GIC 水硬性仮封セメント TC 裏層と封鎖に用いる材料の組合せで正しいのはどれか。3 つ選べ。 裏 層 封 鎖

116B025の問題画像
3つ選択
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正解: b・c・e

正答

b、c、e

この問題のポイント

IPC法では、歯髄保護と長期的な細菌封鎖を両立し、ユージノールとレジンの相互作用にも注意します。

解説

IPC法では、深部の軟化象牙質を一部残して歯髄への露出を避け、裏層材を置いたうえで確実に封鎖します。酸化亜鉛ユージノールセメントは鎮静作用を期待できますが、ユージノールはレジンのラジカル重合を阻害するため、コンポジットレジンと直接接触させません。従来型グラスアイオノマーセメントは裏層にも封鎖にも利用でき、ユージノール層とCRの間に介在させることもできます。

画像の確認

実画像では、初診時写真Aで下顎右側第一大臼歯の既存金属修復物に隣接して大きな褐色の齲蝕性欠損があり、エックス線像Bでは修復物直下から歯髄近くまで及ぶ透過像がみえる。処置時写真Cではラバーダム下で深部象牙質を一部残した窩洞が確認でき、露髄を避けて裏層と確実な封鎖を行うIPC法の材料選択を考える根拠になる。

選択肢の確認

a.Ez CR
誤り。
EzのユージノールがCRの重合を阻害するため、Ezの上をCRで直接封鎖する組合せは適切ではありません。

b.Ez 従GIC
正しい。
Ezで裏層し、従GICで封鎖する方法は、歯髄保護と封鎖性を確保できる組合せです。

c.従GIC CR
正しい。
従GICは深部象牙質の裏層に使用でき、その上をCRで確実に封鎖できます。

d.光GIC TC
誤り。
光GICを裏層して水硬性仮封セメントで封鎖する方法は、長期的な耐久性と確実な辺縁封鎖の点で本問の適切な組合せではありません。

e.Ez の上に従GIC CR
正しい。
Ezの上に従GICを介在させればユージノールとCRの直接接触を避けられ、CRによる最終封鎖が可能です。

覚えるポイント

  • IPC法は歯髄露出を避け、細菌を遮断して修復象牙質形成を期待する。
  • ユージノールはコンポジットレジンの重合を阻害する。
  • EzとCRの間にはGICなどの隔壁を設ける。

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