116C032|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科医学総合総合問題
舌癌の小線源治療時に使用される口腔内装置の写真(別冊No. 9A)と装着時の口 腔内写真(別冊No. 9B)を別に示す。 この装置の使用目的に最も関係が深いのはどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
舌癌の小線源治療で用いるスペーサは、線源から下顎骨などの正常組織までの距離を確保し、被曝線量を低減します。
解説
小線源治療では腫瘍内または腫瘍近傍に放射線源を配置するため、腫瘍へ高線量を集中できます。一方、線源に近い下顎骨や口腔粘膜には障害が生じる可能性があります。
口腔内装置で舌と下顎骨の間隔を広げると、距離の逆二乗則により正常組織の線量が急速に低下します。装置自体による完全な遮蔽よりも、距離を確保する効果が中心です。
画像の確認
実画像では、透明な馬蹄形装置が下顎歯列を覆い、装着時には厚い装置が舌と下顎臼歯・下顎骨の間に介在している。高原子番号材による遮蔽板はみえず、線源を置く舌から正常組織を物理的に離す形なので、使用目的に最も関係するのは距離である。
選択肢の確認
a.距 離
正しい。線源と下顎骨などの正常組織との距離を広げ、逆二乗則によって被曝線量を低減します。
b.遮 蔽
誤り。高原子番号物質で放射線を直接遮る装置ではなく、主目的は組織間距離の確保です。
c.酸素効果
誤り。酸素効果は組織の酸素化により放射線感受性が変化する現象で、装置の機械的役割とは異なります。
d.増感効果
誤り。増感効果は薬剤などで放射線効果を高める概念です。
e.ブラッグピーク
誤り。ブラッグピークは陽子線や重粒子線の深部線量分布に関する現象で、小線源治療用スペーサの原理ではありません。
覚えるポイント
- 小線源治療用スペーサは正常組織との距離を確保する。
- 放射線強度は距離の二乗に反比例して低下する。
- 舌癌治療では下顎骨の放射線障害予防が重要。