116D039第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯周病学

54 歳の男性。上顎右側前歯部の動揺を主訴として来院した。6 か月前から気付 いていたがそのままにしていたという。歯周基本治療後に症状が改善されなかった ためフラップ手術を行い、骨欠損形態と根面の状態を確認した。術中の口腔内写真 (別冊No. 8)を別に示す。歯周基本治療後の再評価時の歯周組織検査結果の一部を 表に示す。 頰 側* 3 3 4 4 3 4 4 3 3 歯 種 3 2 1 口蓋側* 3 3 4 ⑤ ⑧ ⑤ 4 3 4 動揺度** 0 2 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印 :プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 術中の所見を踏まえ、次に行う処置はどれか。2 つ選べ。

116D039の問題画像
2つ選択
解答・解説を見る

正解: d・e

正答

d、e

この問題のポイント

局所的に深い歯周ポケットが残る場合は、術中に根面形態の異常と歯石・感染物質の残存を直接確認します。

解説

上顎前歯、とくに口蓋側に限局した深いポケットと術中所見から、**口蓋裂溝〈palato-radicular groove〉**がプラーク停滞因子になっていると判断します。原因形態を除去・平滑化し、同時に根面の歯石・汚染セメント質をスケーリング・ルートプレーニングで処理します。

骨移植は再生に適した骨欠損形態で検討しますが、まず局所原因を除去しなければ予後は改善しません。

画像の確認

実画像では、口蓋側フラップを翻転した上顎右側側切歯根面に歯冠側から根尖方向へ続く深い縦溝があり、溝に沿って限局性骨欠損と沈着物がみえる。プラーク停滞源となる口蓋裂溝を除去・平滑化し、同時に露出根面をスケーリング・ルートプレーニングする処置が所見に直結する。

選択肢の確認

a.根面処理
誤り。薬剤などによる根面処理を追加することはありますが、本症例の主因である裂溝と根面汚染への基本処置ではありません。

b.歯肉整形
誤り。歯肉整形は歯肉外形を整える処置で、深い口蓋側ポケットの原因除去にはなりません。

c.自家骨移植
誤り。自家骨移植は骨欠損への再生処置ですが、裂溝と根面の感染源を残したまま先行しません。

d.口蓋裂溝の除去
正しい。プラークが停滞する口蓋裂溝を除去・平滑化して局所原因を改善します。

e.スケーリング・ルートプレーニング
正しい。術野を明視下に置き、根面の歯石と汚染物質をスケーリング・ルートプレーニングで除去します。

覚えるポイント

  • 限局性の深いポケットでは根面溝を疑います。
  • 形態異常の除去と根面清掃を組み合わせます。
  • 再生療法より先に感染源を確実に除去します。

関連問題

116D038116D040
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)