117A042|第117回 歯科医師国家試験 過去問
74 歳の男性。咀嚼時の上顎全部床義歯による疼痛を主訴として来院した。使用 中の義歯は1 年前に製作したという。初診時の口腔内写真(別冊No. 15A)と義歯装 着時の写真(別冊No. 15B)を別に示す。 まず行うべき対応はどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
義歯装着時の限局した疼痛では、まず疼痛部に対応する義歯床辺縁の過長・過圧を確認し、原因を除去します。
解説
全部床義歯の床縁が長すぎる、厚すぎる、あるいは小帯・可動粘膜の運動を妨げていると、咀嚼や口唇・頰の運動時に粘膜へ外傷を与えます。この場合は、圧痕や潰瘍と義歯床縁の位置を対応させ、義歯床辺縁を調整します。
リラインやティッシュコンディショニングは義歯床粘膜面全体の適合不良や粘膜の広範な炎症に対して検討します。限局した辺縁刺激を先に除去することが重要です。
画像の確認
実画像では、上顎前歯部の顎堤に限局した軟組織の隆起があり、義歯装着時には前歯部床縁が同部と上唇小帯周囲に近接している。まず疼痛部へ当たる過長・過圧の床縁を調整する状況であり、正答dにつながる。
選択肢の確認
a.リライン
この時点でまず行う処置ではありません。
リラインは顎堤吸収による床粘膜面の適合不良に用います。限局した床縁の過長に対してまず行う処置ではありません。
b.外科的切除
この時点でまず行う処置ではありません。
外科的切除は原因となる義歯の調整前に行う処置ではありません。まず機械的刺激を除去します。
c.義歯の清掃指導
必要となることはありますが、最優先ではありません。
清掃指導は必要となることがありますが、咀嚼時疼痛の直接原因である床縁刺激をまず改善します。
d.義歯床辺縁の調整
正答。まず行います。
疼痛部に対応する過長・過厚な床縁を調整し、可動粘膜への刺激を除去します。
e.ティッシュコンディショニング
この時点でまず行う処置ではありません。
ティッシュコンディショニングは広範な粘膜の回復や動的印象に用いますが、限局した床縁過長への最初の対応ではありません。
覚えるポイント
- 限局痛では疼痛部と床縁の対応を確認します。
- 過長床縁は削合・研磨して小帯と筋の運動を妨げない形にします。
- リラインは床粘膜面全体の適合不良で検討します。