117A047|第117回 歯科医師国家試験 過去問
24 歳の女性。頰粘膜の異常を主訴として来院した。6 か月前から気付いていた が、疼痛がないためそのままにしていたところ、最近になり自覚するようになった という。1 年前から気管支喘息のため副腎皮質ステロイド吸入薬を使用している。 初診時の口腔内写真(別冊No. 17A)、H-E 染色病理組織像(別冊No. 17B)及び Grocott 染色病理組織像(別冊No. 17C)を別に示す。 治療に用いるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
吸入ステロイド使用者の無痛性白色病変とGrocott染色での真菌確認から、口腔カンジダ症を考え、抗真菌薬を選びます。
解説
吸入副腎皮質ステロイドは局所免疫を抑制し、口腔カンジダ症のリスクを高めます。口腔粘膜の白苔・白斑や発赤を認め、Grocott染色では真菌の菌糸・酵母様菌体が黒褐色に染色されます。
治療には抗真菌薬であるミコナゾール硝酸塩を用います。吸入後のうがい、吸入器の適切な使用、義歯や口腔の清掃など再発予防も重要です。
画像の確認
実画像では、頰粘膜に境界がやや不明瞭な白色斑があり、Grocott染色像では上皮表層内に黒染する分岐状・糸状構造と小円形構造が多数見える。真菌要素を示す染色所見から抗真菌薬ミコナゾール硝酸塩を選ぶ正答dにつながる。
選択肢の確認
a.アスピリン
誤り。
アスピリンは解熱鎮痛・抗血小板作用をもつ薬で、真菌感染の治療薬ではありません。
b.アシクロビル
誤り。
アシクロビルは単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスに用いる抗ウイルス薬です。
c.リファンピシン
誤り。
リファンピシンは結核などに用いる抗菌薬で、口腔カンジダ症の治療薬ではありません。
d.ミコナゾール硝酸塩
正しい。
ミコナゾール硝酸塩はアゾール系抗真菌薬で、Candidaの細胞膜合成を阻害します。
e.ミノサイクリン塩酸塩
誤り。
ミノサイクリン塩酸塩はテトラサイクリン系抗菌薬で、真菌には無効です。
覚えるポイント
- 吸入ステロイドは口腔カンジダ症のリスクです。
- Grocott染色は真菌を強調します。
- 治療は抗真菌薬+吸入後の含嗽・口腔衛生管理です。