117A056第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯周病学

42 歳の女性。上顎右側中切歯の動揺を主訴として来院した。3 年前から気付い ていたが2 週前から動揺が大きくなってきたという。歯周基本治療後に 1 に歯周 外科手術を行うこととした。初診時のエックス線画像(別冊No. 21A)と歯周基本治 療後の口腔内写真(別冊No. 21B)を別に示す。再評価時の歯周組織検査結果の一部 を表に示す。 唇 側* 3 2 ⑥ 3 2 3 歯 種 1 1 口蓋側* 2 3 ⑧ 2 1 2 動揺度** 1 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 適切なのはどれか。2 つ選べ。

117A056の問題画像
2つ選択
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正解: a・e

正答

a、e

この問題のポイント

歯周基本治療後にも残る深い骨内欠損では、歯周組織再生を目的に骨移植材やFGF-2製剤を応用します。

解説

本症例では再評価時に深いプロービング値と出血が残り、画像上の骨欠損を踏まえて再生療法が適応と判断されています。骨移植術は欠損部へ足場となる材料を填入し、骨形成を促します。

FGF-2製剤は歯周組織再生剤で、歯根膜由来細胞などの増殖・血管新生を促し、歯槽骨、歯根膜、セメント質の再生を期待します。

画像の確認

実画像では、上顎中切歯間に根面沿いの深い垂直性骨透過像があり、表でも対象歯の口蓋側8 mm・唇側6 mmの出血を伴う深いポケットが示される。再生療法の対象となる骨内欠損の組合せであり、骨移植術とFGF-2製剤を選ぶ正答a・eを支持する。

選択肢の確認

a.骨移植術
正しい。
骨内欠損へ骨移植材を填入し、再生の足場と骨形成を期待するため適切です。

b.歯肉切除術
誤り。
歯肉切除術は骨縁上ポケットや歯肉増殖に用いる切除療法で、深い骨内欠損の再生には適しません。

c.結合組織移植術
誤り。
結合組織移植術は主に根面被覆や軟組織増大に用い、骨内欠損の歯周組織再生を主目的としません。

d.歯肉弁側方移動術
誤り。
歯肉弁側方移動術は隣接歯肉を移動して根面被覆する術式で、本症例の骨内欠損に対する処置ではありません。

e.FGF-2 製剤の応用
正しい。
FGF-2製剤は歯周組織再生を促進し、適応を満たす骨内欠損に用います。

覚えるポイント

  • 骨内欠損では再生療法を検討します。
  • 骨移植材は足場、FGF-2は細胞増殖・血管新生を促します。
  • 喫煙、プラークコントロール、欠損形態が予後に影響します。

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