117B074|第117回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科補綴学
75 歳の男性。1 週前に装着した上顎全部床義歯の使用時の疼痛を主訴として来 院した。適合試験材を義歯に塗布し、下顎の側方運動を行わせた。来院時の口腔内 写真(別冊No. 28A)、側方運動時の顔貌写真(別冊No. 28B)及び運動後の義歯の写 真(別冊No. 28C)を別に示す。 疼痛の誘因となっているのはどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
上顎全部床義歯の後方頰側床縁が過長だと、下顎側方運動時に筋突起と干渉して疼痛を生じます。
解説
下顎筋突起は開口・側方運動時に前方・内側へ移動し、上顎義歯の上顎結節外側から後方頰側床縁へ接近します。この部位の床縁が厚い、または過長であると、筋突起に圧迫されて義歯が動揺し、粘膜疼痛を起こします。
適合試験材を塗布して側方運動を行わせると、干渉部の材料が強く抜けるため、該当部を選択的に調整します。
画像の確認
実画像では、側方運動後の上顎義歯で後方頰側床縁の適合試験材が局所的に強く抜け、黒い床面が近接して見える。下顎側方運動時にこの部へ接近する筋突起との干渉を示す所見であり、正答bを支持する。
選択肢の確認
a.頰骨弓
誤り。
頰骨弓は上顎義歯床縁と側方運動時に直接干渉する可動性骨突起ではありません。
b.筋突起
正しい。
筋突起が側方運動時に上顎義歯の後方頰側床縁へ接近し、過長部と干渉します。
c.関節突起
誤り。
関節突起は顎関節内で運動し、上顎義歯床縁へ直接接触しません。
d.茎状突起
誤り。
茎状突起は深部にあり、上顎全部床義歯のこの部位の疼痛誘因ではありません。
e.翼状突起
誤り。
翼状突起は頭蓋底の固定構造で、側方運動に伴って義歯へ接触するものではありません。
覚えるポイント
- 上顎義歯後方頰側床縁は筋突起と干渉し得る。
- 側方運動をさせて機能時の過長部を確認する。
- 適合試験材の抜けた部位を選択的に調整する。