117B073|第117回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科矯正学
24 歳の女性。前歯の歯並びが悪いことを主訴として来院した。診断の結果、 4 4 、4 4 の抜歯とマルチブラケット装置を用いた矯正歯科治療を行うこととし た。初診時の顔面写真(別冊No. 27A)、口腔内写真(別冊No. 27B)及びエックス線 画像(別冊No. 27C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 併用するのはどれか。2 つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: d・e
正答
d、e
この問題のポイント
抜歯矯正では、前歯を移動させる反作用で臼歯が動かないよう、固定源を強化する装置を併用します。
解説
第一小臼歯抜去後に前歯を大きく後退させる場合、固定源となる大臼歯の近心移動を抑える必要があります。リンガルアーチは下顎左右臼歯を連結し、歯列内固定を強化します。歯科矯正用アンカースクリューは骨性固定源となり、歯の反作用に依存せず前歯を牽引できます。
画像の確認
実画像では、側貌で口唇突出があり、上下前歯は唇側傾斜して叢生し、セファロ図でも切歯歯軸の突出が大きい。上下第一小臼歯抜歯後に前歯を大きく後退させるには強い固定源が必要で、リンガルアーチと歯科矯正用アンカースクリューの正答d・eにつながる。
選択肢の確認
a.交叉ゴム
誤り。
交叉ゴムは頰舌的な交叉咬合の改善に用い、抜歯空隙閉鎖の固定源強化が主目的ではありません。
b.咬合挙上板
誤り。
咬合挙上板は咬合を一時的に離開する装置で、前歯後退時の固定源強化には用いません。
c.急速拡大装置
誤り。
急速拡大装置は上顎骨側方拡大に用い、本症例の抜歯空隙閉鎖の補助装置ではありません。
d.リンガルアーチ
正しい。
リンガルアーチは下顎臼歯を連結し、臼歯の近心移動や回転を抑えて固定源を強化します。
e.歯科矯正用アンカースクリュー
正しい。
歯科矯正用アンカースクリューは骨性固定源となり、前歯を効率よく後退させられます。
覚えるポイント
- 抜歯空隙を前歯後退に使うには固定源管理が重要である。
- リンガルアーチは歯列内固定を強化する。
- アンカースクリューは骨性固定源である。