117C001|第117回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯周病学
歯肉炎と歯周炎を鑑別する所見はどれか。1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: d
正答
d
この問題のポイント
歯肉炎と歯周炎の決定的な違いは、歯周組織の付着喪失と歯槽骨吸収の有無です。炎症所見だけでは両者を区別できません。
解説
歯肉炎は炎症が歯肉に限局し、接合上皮の根尖側移動や歯槽骨吸収を伴いません。腫脹によって歯肉溝が深くみえることはありますが、これは仮性ポケットです。
歯周炎では、接合上皮が根尖側へ移動し、臨床的アタッチメントロスを伴う真性ポケットが形成されます。したがって、真性ポケットは歯肉炎から歯周炎へ進展していることを示す鑑別所見です。
ひっかけポイント
発赤、腫脹、出血は歯肉炎でも歯周炎でもみられます。ポケットの深さだけでなく、付着位置と骨吸収を確認します。
選択肢の確認
a.歯肉腫脹
誤り。
歯肉腫脹は炎症による共通所見で、歯肉炎でも歯周炎でもみられます。
b.歯肉出血
誤り。
プロービング時出血などの歯肉出血は炎症の存在を示しますが、付着喪失の有無までは示しません。
c.歯肉の発赤
誤り。
歯肉の発赤は血管拡張に伴う炎症所見であり、両疾患に共通します。
d.真性ポケット
正しい。
真性ポケットは接合上皮の根尖側移動とアタッチメントロスを伴い、歯周炎を示す所見です。
e.スティップリング
誤り。
スティップリングは健康な付着歯肉でみられることがある表面性状です。消失は炎症を疑う所見ですが、歯肉炎と歯周炎の決定的鑑別にはなりません。
覚えるポイント
- 歯肉炎は炎症が歯肉に限局し、アタッチメントロスを伴わない。
- 歯周炎では真性ポケットと歯槽骨吸収がみられる。
- 腫脹による仮性ポケットと真性ポケットを区別する。