117C028|第117回 歯科医師国家試験 過去問
38 歳の女性。下顎左側第一小臼歯の咬合痛と違和感を主訴として来院した。10 か月前から自覚していたがそのままにしていたという。歯周基本治療後の再評価の 結果、FGF-2 製剤を応用した歯周組織再生療法を行うこととした。初診時の口腔 内写真(別冊No. 7A)とエックス線画像(別冊No. 7B)を別に示す。初診時の歯周組 織検査結果の一部を表に示す。 舌 側* 3 3 ④ ④ 4 ⑨ ⑤ ③ ④ 歯 種 3 4 5 頰 側* 3 3 ③ ④ ④ ⑩ ⑤ ④ ④ 動揺度** 0 1 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 歯周組織再生療法に先立って行う処置はどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: c
正答
c
この問題のポイント
歯周組織再生療法の前には、歯内感染を含む感染源を除去し、炎症を十分にコントロールします。
解説
FGF-2製剤を用いる再生療法では、根面と骨欠損部が清潔で、感染が制御されていることが前提です。歯髄壊死や根尖病変が関与する歯内―歯周病変では、まず感染根管治療を行い、根管内感染を除去してから歯周外科へ進みます。
深い局所ポケットや画像所見をみるときは、歯周炎だけでなく歯髄生活反応、根尖病変、根破折、根面形態を確認し、感染経路を整理します。
症例問題の解き方
歯周再生療法の適応を考える前に、プラークコントロール、歯内感染、咬合性外傷、喫煙・全身状態を確認します。画像の具体的所見は問題画像で確認します。
画像の確認
実画像では、下顎左側第一小臼歯部に深い歯周ポケットを伴う骨欠損があり、同歯根尖周囲には明瞭な透過像が写っている。歯周組織再生療法より先に根尖病変の感染源を処置する必要があるため、感染根管治療を選ぶ正答cに結び付く。
選択肢の確認
a.暫間固定
誤り。
動揺度1度に対して暫間固定を行う場合はありますが、本問で再生療法に先立ち除去すべき主な感染源への対応ではありません。
b.小帯切除術
誤り。
小帯の高位付着が清掃障害や歯肉退縮に関与する場合の処置で、本症例の主病変に対する前処置ではありません。
c.感染根管治療
正しい。
歯内感染が関与する歯では、感染根管治療により感染源を除去してから歯周組織再生療法を行います。
d.オドントプラスティ
誤り。
オドントプラスティは歯の形態修正であり、根管内感染の除去にはなりません。
e.局所薬物配送システム〈LDDS〉
誤り。
LDDSは局所抗菌療法ですが、感染根管に対する根本治療の代わりにはなりません。
覚えるポイント
- 再生療法の前提は感染と炎症のコントロール。
- 歯内―歯周病変では歯髄診断と根尖所見を確認する。
- 感染根管治療は歯内感染を除去する根本処置。