117C049|第117回 歯科医師国家試験 過去問
下顎右側中切歯の自発痛と歯肉の腫脹で来院した患者の口腔内写真(別冊No. 17 A)とエックス線画像(別冊No. 17B)を別に示す。プロービング深さは遠心唇側で 5 mm であった。 適切な対応はどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
限局した歯周ポケットに急性炎症が生じた場合は、急性期に大きな外科処置を行うのではなく、局所感染をコントロールします。
解説
自発痛、歯肉腫脹、限局した深いポケットは歯周膿瘍を疑う所見です。全身症や波動、排膿の有無を確認し、必要に応じてポケット内の洗浄・デブライドメントや排膿を行います。選択肢の中では、歯周ポケット内へ抗菌薬を局所投与するLDDSが適切です。
歯肉切除、新付着術、歯周ポケット搔爬術などの外科・準外科処置は、急性炎症を鎮静化し原因を評価した後に適応を検討します。
症例問題の解き方
急性歯周膿瘍では、疼痛、腫脹、排膿、歯髄生活反応、根尖病変、歯根破折を確認し、歯内病変との鑑別も行います。画像所見は問題画像で確認します。
画像の確認
実画像では、下顎右側中切歯根尖相当部の歯肉に限局性の発赤・腫脹があり、X線像では同歯周囲の骨吸収がみられる。5 mmの歯周ポケットへ局所的に抗菌薬を到達させる病態であり、LDDSを選ぶ正答eを支える。
選択肢の確認
a.PMTC
この条件では適切ではありません。
PMTCは歯面バイオフィルム除去に有用ですが、深い歯周ポケット内の急性局所感染への直接的対応としては不十分です。
b.歯肉切除
この条件では適切ではありません。
歯肉切除は歯肉性ポケットなどに対する外科処置で、急性炎症期の第一選択ではありません。
c.新付着術
この条件では適切ではありません。
新付着術は炎症を鎮静化し、歯周基本治療後に適応を判断する処置です。
d.歯周ポケット搔爬術
この条件では適切ではありません。
歯周ポケット搔爬術を急性腫脹・疼痛がある段階で直ちに選ぶものではありません。
e.局所薬物配送システム〈LDDS〉
正答。適切です。
LDDSにより歯周ポケット内へ抗菌薬を局所投与し、局所感染のコントロールを図ります。
覚えるポイント
- 急性歯周膿瘍ではまず感染と排膿を評価する。
- LDDSは歯周ポケット内への局所薬物投与。
- 外科処置は急性炎症を鎮静化してから適応を判断する。