118A045|第118回 歯科医師国家試験 過去問
76 歳の女性。口や鼻から飲み物が漏れることを主訴として脳神経内科からの紹 介で来院した。1 年前に脳梗塞の診断を受けている。現在普通食を20 分以内で全 量摂取しており、咀嚼時の疲労感はなく、むせることはないが、飲水時に口や鼻か ら漏れることがあるという。口腔機能時の顔面写真(別冊No. 11A)、口腔機能時の 口腔内写真(別冊No. 11B)及び液体の嚥下を記録した嚥下造影検査画像(別冊 No. 11C)を別に示す。 主訴に影響を与えていると考えられるのはどれか。2 つ選べ。

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正解: b・c
正答
b、c
この問題のポイント
飲水時の口からの漏れは口唇閉鎖不全、鼻への漏れは鼻咽腔閉鎖不全を示します。それぞれ口輪筋と口蓋帆挙筋が重要です。
解説
口輪筋は口裂を閉鎖し、食物や液体を口腔内に保持します。麻痺や筋力低下があると、口角や口唇から液体が漏れます。
口蓋帆挙筋は軟口蓋を挙上し、嚥下時に鼻咽腔を閉鎖します。機能低下すると液体が鼻腔へ逆流します。
症例問題の解き方
「口から漏れる」と「鼻から漏れる」を分け、それぞれに必要な閉鎖機能を対応させます。
画像の確認
実画像では、口唇閉鎖時に口角の左右差と漏れがあり、発声場面では軟口蓋の閉鎖運動が示されている。口輪筋と口蓋帆挙筋の機能低下を評価対象とする正答b・cに対応する。
選択肢の確認
a.咬 筋
誤り。
下顎を挙上して咀嚼する筋です。咀嚼時疲労がなく、液体漏出の主因にはなりません。
b.口輪筋
正しい。
口唇閉鎖を担い、機能低下すると飲水時に口から漏れます。
c.口蓋帆挙筋
正しい。
軟口蓋を挙上して鼻咽腔を閉鎖し、鼻腔への逆流を防ぎます。
d.オトガイ舌筋
誤り。
舌を前方へ突出させ、舌運動に関与しますが、口唇閉鎖や鼻咽腔閉鎖の中心筋ではありません。
e.後輪状披裂筋
誤り。
声門を開大する唯一の筋で、呼吸時の気道確保に関与します。液体の口・鼻漏出とは直接関係しません。
覚えるポイント
- 口から漏れるなら口輪筋を考えます。
- 鼻から漏れるなら軟口蓋挙上と鼻咽腔閉鎖を考えます。
- 口蓋帆挙筋は嚥下時の鼻腔逆流を防ぎます。