118A067第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

75 歳の男性。下顎左側臼歯部の疼痛を主訴として来院した。3 か月前に自覚し、 徐々に増悪してきたという。10 年前に人工弁置換術を受けており、5 年前から血 液透析を受けているという。ワルファリンカリウムを服用している。診察の結果、 下顎左側第一大臼歯の抜去を行うこととした。初診時の腕の写真(別冊No. 20A)と エックス線画像(別冊No. 20B)を別に示す。 適切な対応はどれか。2 つ選べ。

118A067の問題画像
2つ選択
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正解: a・b

正答

a、b

この問題のポイント

ワルファリン服用患者ではPT-INRを確認し、透析患者の観血処置は透析中に使用した抗凝固薬の影響が少ない透析翌日に行うのが基本です。

解説

人工弁置換後のワルファリンを歯科医師の判断だけで中止すると、血栓塞栓症の危険があります。多くの通常抜歯では、PT-INRを確認し、適切な局所止血を行いながら継続下で処置します。

血液透析では、透析日にヘパリンなどが使用されるため、止血性と全身状態を考えて透析翌日を選びます。写真でシャント側を確認し、その上肢では血圧測定や採血を避けます。

人工弁は感染性心内膜炎の高リスクであり、予防抗菌薬が必要な場合は処置前に投与します。

画像の確認

実画像では、左前腕の透析用内シャント部に大きな瘤状膨隆と皮下出血があり、口腔画像では疼痛歯が示されている。シャント側を避け、ワルファリン内服下のPT-INR確認と透析翌日の抜歯を行う正答a・bに対応する。

選択肢の確認

a.PT-INR の確認
正しい。
ワルファリンの抗凝固作用を評価し、安全な処置計画と局所止血法を決めます。

b.透析翌日の抜歯
正しい。
透析中の抗凝固薬の影響が減り、体液状態も比較的安定する透析翌日が適します。

c.左上腕での血圧測定
誤り。
シャントがある上肢では、シャント閉塞や損傷を避けるため血圧測定、採血、静脈路確保を行いません。

d.ワルファリンカリウムの休薬指示
誤り。
人工弁患者では休薬による血栓塞栓症リスクがあります。歯科医師の独断で中止せず、PT-INRと処置侵襲を確認します。

e.抜歯後からのアモキシシリン水和物投与
誤り。
感染性心内膜炎予防が必要な場合は、菌血症が生じる処置の前に適切な抗菌薬を投与します。抜歯後からでは予防目的を満たしません。

覚えるポイント

  • ワルファリン患者はPT-INR確認、自己判断で休薬しないことが重要です。
  • 透析患者の抜歯は透析翌日を基本とします。
  • シャント側上肢では血圧測定・採血を避けます。

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