118C067|第118回 歯科医師国家試験 過去問
85 歳の男性。舌の腫脹を主訴として来院した。7 年前から自覚していたがその ままにしていたという。15 年前から慢性腎不全のために血液透析を受けている。 舌全体の粘膜下に硬化性の腫瘤を認め、所属リンパ節に明らかな腫脹を触知しな い。初診時の口腔内写真(別冊No. 27A)、生検時のH-E 染色病理組織像(別冊 No. 27B)及びCongo-Red 染色病理組織像(別冊No. 27C)を別に示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
慢性腎不全で長期透析中の患者に、舌の硬化性腫脹とCongo-Red染色陽性物質を認める場合はアミロイドーシスを考えます。
解説
アミロイドーシスは、異常な線維性タンパク質であるアミロイドが細胞外へ沈着し、臓器障害を起こす病態です。舌への沈着では、舌の腫大、硬化、結節、運動障害などを生じることがあります。
病理組織では好酸性の無構造物質が沈着し、Congo-Red染色で陽性となります。偏光顕微鏡では典型的に黄緑色の複屈折を示します。長期透析患者では透析関連アミロイドーシスも考慮します。
病理像で見るポイント
H-E染色で無構造物質を確認し、Congo-Red染色でアミロイドを証明します。
画像の確認
実画像Aでは舌全体がびまん性に腫大し、B・Cでは筋線維や脂肪組織の間に無構造な好酸性物質が広く沈着している。長期血液透析という背景とCongo-Red染色で確認される沈着物の組合せは舌アミロイドーシスに合致し、選択肢eを支持する。
選択肢の確認
a.脂肪腫
誤り。脂肪腫は成熟脂肪細胞からなる良性腫瘍で、Congo-Red染色によるアミロイド証明とは一致しません。
b.神経鞘腫
誤り。神経鞘腫は被膜を有する神経原性腫瘍で、Antoni A・B領域やVerocay小体などが鑑別点です。
c.多形腺腫
誤り。多形腺腫は上皮性・筋上皮性成分と粘液腫様・軟骨様間質を示す唾液腺腫瘍です。
d.リンパ管腫
誤り。リンパ管腫はリンパ管腔の増生からなり、舌では顆粒状・小水疱状の病変を示すことがあります。
e.アミロイドーシス
正しい。舌の硬化性腫脹、長期透析歴、Congo-Red染色陽性はアミロイドーシスを支持します。
覚えるポイント
- アミロイドーシスは異常タンパク質の細胞外沈着です。
- Congo-Red染色でアミロイドを証明します。
- 舌では腫大、硬化、運動障害を生じることがあります。