118D034第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

15 歳の女子。下顎右側臼歯部の歯肉腫脹を主訴として来院した。5 年前に下顎 右側第二小臼歯の疼痛で治療を受けていたが、痛みが消失したため通院を中断して いたところ、2 日前から腫脹してきたという。初診時の口腔内写真(別冊No. 10A) とエックス線画像(別冊No. 10B)を別に示す。 処置と薬剤・器材の組合せで正しいのはどれか。2 つ選べ。

118D034の問題画像
2つ選択
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正解: b・c

正答

b、c

この問題のポイント

感染根管治療では、機械的清掃だけでなく、次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄水酸化カルシウム製剤による根管貼薬で根管内細菌を減らします。

解説

長期間治療が中断され、歯肉腫脹を生じているため、根管内感染と根尖部炎症への対応が必要です。次亜塩素酸ナトリウムは有機質溶解作用と抗菌作用をもち、根管洗浄に用います。水酸化カルシウム製剤は高いpHにより抗菌性を示し、根管貼薬に用います。

若年者や根未完成歯では、根尖形態を確認し、過剰な根管形成や薬剤の根尖孔外逸出を避けます。

医療安全上のポイント
次亜塩素酸ナトリウムは根尖孔外へ押し出さないよう、洗浄針を根管内に拘束させず低圧で使用します。

画像の確認

実画像Aでは下顎右側臼歯部歯肉に限局性の発赤・腫脹と排膿路を思わせる隆起があり、Bでは既治療歯の根尖周囲に透過像がみられる。感染根管に対する処置として、次亜塩素酸ナトリウムによる根管洗浄と水酸化カルシウム製剤による根管貼薬を組み合わせる像である。

選択肢の確認

a.根管形成 Ni-Ti ロータリーファイル
誤り。
Ni-Tiロータリーファイルは根管形成に用いられますが、根未完成や複雑な根管形態では適応を慎重に判断します。本症例で確実に正しい組合せとしては選びません。

b.根管洗浄 次亜塩素酸ナトリウム
正しい。
次亜塩素酸ナトリウムは抗菌作用と有機質溶解作用をもち、根管洗浄に用います。

c.根管貼薬 水酸化カルシウム製剤
正しい。
水酸化カルシウム製剤は高pHによる抗菌作用をもち、感染根管の貼薬に用います。

d.仮 封 軟質レジン系仮封材
誤り。
軟質レジン系材料は封鎖性や強度の点で感染根管治療中の仮封材として適さない場合があり、確実な仮封が必要です。

e.根管充塡 パラホルムアルデヒド製剤
誤り。
パラホルムアルデヒド製剤は組織毒性があり、現代の根管充塡材として適切ではありません。

覚えるポイント

  • 根管洗浄は次亜塩素酸ナトリウムです。
  • 根管貼薬は水酸化カルシウム製剤が代表です。
  • 根尖孔外への薬剤逸出を防ぎます。

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