118D064第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

63 歳の女性。開口困難を主訴として来院した。2 年前から大開口時に右側耳前 部に雑音を認めていたが、3 日前から口が開けづらくなったという。顔面に圧痛部 位はないが、開口時に下顎が右側に偏位する。初診時のエックス線画像(別冊 No. 24A)とMRI(別冊No. 24B)を別に示す。 適切な治療法はどれか。2 つ選べ。

118D064の問題画像
2つ選択
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正解: c・e

正答

c、e

この問題のポイント

雑音の既往後に急な開口制限と患側偏位を生じた場合、復位を伴わない関節円板前方転位によるクローズドロックを考えます。

解説

右側顎関節で関節円板が前方転位し復位しないと、右側下顎頭の滑走が制限され、開口時に下顎は右側へ偏位します。発症早期にはマニピュレーションで円板の復位を試みることがあります。保存的治療で改善しない場合や関節腔内病態が強い場合は、関節腔内洗浄療法で癒着や炎症性物質を減らし、運動を改善します。

画像の確認

実画像Bでは、右顎関節の関節円板が閉口時に前方転位し、開口しても正常な位置へ復位していない像がみられる。左側と比べ右側下顎頭の滑走も乏しく、右偏位を伴う急性クローズドロックに合致する。関節腔内洗浄療法とマニピュレーションで復位・可動域の回復を図る。

選択肢の確認

a.顎関節制動術
この条件では適切ではありません。
顎関節制動術は反復性顎関節脱臼などで過剰な下顎頭運動を抑える術式で、クローズドロックの治療ではありません。

b.筋突起切除術
この条件では適切ではありません。
筋突起切除術は筋突起過長症など骨性・機械的開口障害で検討します。

c.関節腔内洗浄療法
正答。適切です。
関節腔内洗浄療法は関節腔内の癒着や炎症性物質を減らし、クローズドロックの開口改善に用います。

d.咀嚼筋ストレッチ
この条件では適切ではありません。
咀嚼筋ストレッチは筋性開口障害で有用ですが、関節円板非復位が主因の本症例で選ぶ主要治療ではありません。

e.マニピュレーション
正答。適切です。
マニピュレーションは発症早期のクローズドロックで関節円板の復位を試みる処置です。

覚えるポイント

  • クローズドロックでは開口時に患側へ偏位します。
  • 発症早期はマニピュレーションを検討します。
  • 改善不十分なら関節腔内洗浄療法が選択肢になります。

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