118D085|第118回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯内療法学
左側上顎骨エナメル上皮腫に対して、腫瘍摘出術と 2 3 歯根尖切除術を行うこ ととした。術前のCT(別冊No. 35A)と術中の口腔内写真(別冊No. 35B)を別に示 す。 矢印が示す部位への適切な対応はどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
腫瘍摘出と歯根尖切除の術中所見では、矢印部に病的変化や損傷がなければ不要な追加処置を行わないことが重要です。
解説
上顎洞に近接する手術では、洞粘膜の損傷、穿孔、出血、感染の有無を確認します。矢印部が正常に保たれ、処置を要する病変や損傷が認められない場合は、追加操作をせず経過をみます。不必要な根治術や材料塡入は感染・異物反応のリスクを増やします。
画像の確認
実画像Aでは左上顎前歯根尖部の病変が上顎洞底に近接するが、上顎洞内に液体貯留や広い粘膜肥厚は目立たない。Bの矢印部は摘出後に上顎洞側へ通じた小開口で、洞粘膜の明らかな損傷や出血は示されていない。この状態なら根治術や充塡・移植を追加せず経過をみる。
選択肢の確認
a.処置は不要
正答。適切です。
矢印部に損傷や病的所見がなければ、追加処置は不要です。
b.上顎洞根治術
この条件では適切ではありません。
上顎洞根治術は慢性上顎洞炎などで検討する大きな手術で、正常部位への予防的処置としては過大です。
c.結合組織移植術
この条件では適切ではありません。
結合組織移植術は軟組織欠損や歯肉退縮などで用い、設問の術中部位には適応しません。
d.骨補塡材の塡入
この条件では適切ではありません。
骨補塡材の塡入は骨造成が必要な場合に検討しますが、不要な部位へ塡入しません。
e.酸化セルロースの塡入
この条件では適切ではありません。
酸化セルロースは止血材であり、活動性出血がない部位へルーチンに塡入するものではありません。
覚えるポイント
- 術中は損傷・出血・感染の有無を確認します。
- 正常組織には不要な追加処置をしません。
- 上顎洞近接手術では洞粘膜の保全が重要です。