119B079|第119回 歯科医師国家試験 過去問
63 歳の女性。左側上顎腫瘍切除後の咀嚼困難を主訴として来院した。左側上顎 腫瘍切除後、顎欠損部は皮弁によって完全に閉鎖されている。診察の結果、開鼻声 は認めず、ブローイング検査においても問題は認められなかった。再建術後の口腔 内写真(別冊No. 29A)、義歯製作過程の装置の写真(別冊No. 29B)、装置試適前の 顔貌写真(別冊No. 29C)及び装置試適後の顔貌写真(別冊No. 29D)を別に示す。 試適時に確認が必要なのはどれか。3 つ選べ。

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正解: a・b・e
正答
a、b、e
この問題のポイント
皮弁で顎欠損が閉鎖され鼻咽腔機能に問題がない症例では、試適装置による 構音、流涎、人工歯排列位置への影響を確認します。
解説
顎顔面補綴の試適では、咀嚼だけでなく、口唇・頰の支持、舌房、発音、唾液の保持、顔貌を確認します。人工歯と研磨面の位置は口唇・頰・舌の運動に影響し、構音や流涎、審美性を左右します。
この症例では欠損腔が皮弁で完全閉鎖され、開鼻声とブローイング検査に異常がないため、口腔鼻腔遮断を補う機能より、口腔周囲組織と装置形態の調和を評価します。
画像の確認
実画像Aでは左上顎切除部が皮弁で閉鎖され、Bの試適用義歯は頰側・唇側へ大きく張り出して欠損側の形態を補っている。CとDで試適後に口唇・頰部の支持が改善するため、人工歯排列位置、構音、口唇閉鎖に伴う流涎を試適時に評価する。
選択肢の確認
a.構 音
正しい。
装置形態は舌・口唇の接触や共鳴に影響するため、試適時に構音を確認します。
b.流 涎
正しい。
口唇支持や前歯排列、研磨面形態は唾液保持に影響するため、流涎の変化を確認します。
c.咬合力
誤り。
咬合力は完成後の機能評価に関係しますが、提示された試適装置で優先して確認する項目には含まれません。
d.鼻漏出
誤り。
顎欠損部は皮弁で閉鎖され、開鼻声・ブローイング検査にも異常がないため、鼻漏出の確認が中心ではありません。
e.人工歯排列位置
正しい。
人工歯排列位置は顔貌、口唇支持、舌房、構音に影響するため、試適時に確認します。
覚えるポイント
- 顎顔面補綴の試適では構音・唾液・顔貌を確認します。
- 人工歯排列位置は口唇支持と舌房に影響します。
- 鼻咽腔閉鎖が保たれていれば鼻漏出補償は主目的になりません。