119B081第119回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

79 歳の女性。上下顎の義歯紛失による咀嚼困難を主訴として来院した。義歯は 12 年前に製作したが、1 週前に旅行先で紛失したという。診察の結果、補綴歯科 治療を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 30A)と義歯非装着時の顔貌 写真(別冊No. 30B)を別に示す。 咬合高径決定の際に参考にするのはどれか。3 つ選べ。

119B081の問題画像
3つ選択
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正解: a・b・c

正答

a、b、c

この問題のポイント

全部床義歯の咬合高径は一つの方法だけで決めず、残存歯、下顎安静位、顔面計測を総合して判断します。

解説

咬合高径の決定では、旧義歯や残存歯による形態的情報、下顎安静位から安静空隙を差し引く生理学的方法、顔面の上下的比率や口唇・口角の外観などを組み合わせます。長期間義歯を装着していた患者でも、紛失した旧義歯の高径が適正だったとは限らないため、複数の指標で確認します。

発音、嚥下、顔貌、筋の緊張感も最終確認に役立ちます。過高では口唇閉鎖困難や義歯の接触音、過低では口角下垂や顔面下部の短縮が生じます。

画像の確認

実画像Aでは上顎は無歯顎で、下顎には左前歯部の少数歯だけが残存し、Bでは義歯喪失による下顔面高の低下がみられる。咬合高径は残存歯の位置、下顎安静位、顔面計測を相互に参照して決定する。

選択肢の確認

a.残存歯
正しい。
残存歯があれば、咬合平面や歯冠長、対合関係などが咬合高径決定の参考になります。

b.下顎安静位
正しい。
下顎安静位で得られる安静時顔面高から安静空隙を考慮し、咬合高径を推定します。

c.顔面の計測
正しい。
顔面の計測や顔面比率は、垂直的顎間関係を決める形態的参考になります。

d.タッピング運動
誤り。
タッピング運動は主に水平的顎間関係や咬合接触位の確認に用い、咬合高径の主要な決定基準ではありません。

e.リップサポート
誤り。
リップサポートは前歯排列や咬合床前方部の厚み、審美性の評価に重要ですが、垂直的咬合高径を直接決める主要指標ではありません。

覚えるポイント

  • 咬合高径は複数の方法を総合して決めます。
  • 下顎安静位から安静空隙を考慮します。
  • 顔貌・発音・嚥下で過高と過低がないか確認します。

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