119B084第119回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

56 歳の男性。右側舌縁部の腫瘤を主訴として来院した。3 か月前に気付いたが、 大きさに変化がないのでそのままにしていたという。右側舌縁に18 × 15 mm 大、 無痛性で弾性軟の腫瘤を認めた。初診時の口腔内写真(別冊No. 31A)、造影CT(別 冊No. 31B)および生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 31C)を別に示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

119B084の問題画像
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正解: a

正答

a

この問題のポイント

無痛性で弾性軟、増大が緩徐な舌縁部腫瘤では、成熟脂肪細胞からなる良性腫瘍である 脂肪腫が最も考えられます。

解説

脂肪腫は成熟脂肪組織からなる良性間葉系腫瘍で、口腔内では頰粘膜、口底、舌などに生じます。一般に境界明瞭で、無痛性、軟らかく、緩徐に増大します。画像では脂肪成分を反映する所見を示し、病理では成熟脂肪細胞の分葉状増殖を確認します。

鑑別のポイント
硬さ、色調、増大速度、神経症状、画像上の内部性状、病理での細胞成分を対応させます。

画像の確認

実画像Aでは右舌縁粘膜下に表面平滑で淡黄色調の限局性腫瘤があり、Bでは舌内に脂肪と同程度の低吸収域を認める。病理像Cは成熟脂肪細胞の集簇であり、脂肪腫に合致する。

選択肢の確認

a.脂肪腫
正しい。
脂肪腫は無痛性で弾性軟の緩徐増大性腫瘤としてみられ、臨床経過と一致します。

b.線維腫
誤り。
線維腫は膠原線維に富み、一般に脂肪腫より硬い弾性硬の腫瘤として触れます。

c.粘液腫
誤り。
粘液腫は粘液様間質をもつ腫瘍で、口腔軟組織にも生じ得ますが、脂肪性病変の画像・病理所見とは異なります。

d.腺様囊胞癌
誤り。
腺様囊胞癌は唾液腺悪性腫瘍で、浸潤性増殖や神経周囲浸潤に伴う疼痛を生じることがあります。無変化の弾性軟腫瘤とは合いません。

e.リンパ管腫
誤り。
リンパ管腫はリンパ管奇形で、舌では多房性・小水疱状の表面やびまん性腫脹を示すことがあります。脂肪腫とは病理構造が異なります。

覚えるポイント

  • 脂肪腫は成熟脂肪細胞からなる良性腫瘍です。
  • 無痛性・弾性軟・緩徐増大が典型です。
  • 画像の脂肪成分と病理の成熟脂肪細胞を対応させます。

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