119B085第119回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯周病学

14 歳の女子。ブラッシング時の歯肉出血を主訴として来院した。2 か月前から 歯肉腫脹と全身倦怠感を自覚するようになり、最近ブラッシング時に出血がみられ るようになったという。パノラマエックス線検査では異常所見はみられず、体温 37.2℃、脈拍82/分、血圧114/68 mmHg であった。初診時の口腔内写真(別冊 No. 32)を別に示す。血液検査の結果を表に示す。 白血球数 :1,140/μL 好中球 :40% 好酸球 : 1% 好塩基球 : 1% リンパ球 :56% 単 球 : 2% 赤血球数 :430 万/μL MCV :89 fL(基準値80~100 fL) MCH :28 pg(基準値27~31 pg) MCHC :31%(基準値30~35%) ヘモグロビン :13.8 g/dL ヘマトクリット :42.1% 血小板数 :21.7 万/μL PT :12 秒(基準値10~12 秒) APTT :29.1 秒(基準値24~39 秒) 血漿フィブリノゲン :259 mg/dL(基準値200~400 mg/dL) 出血時間 :3 分(基準値2 ~5 分) CRP :0.33 mg/dL AST :23 U/L ALT :18 U/L ALP :185 U/L(基準値80~260 U/L) LD :160 U/L(基準値120~220 U/L) 抗Dsg1 抗体 :陰性(基準値 陰性) 抗Dsg3 抗体 :陰性(基準値 陰性) 抗BP 180 抗体 :陰性(基準値 陰性) 抗BP 230 抗体 :陰性(基準値 陰性) 考えられるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

白血球数1,140/μL、好中球40%なので、絶対好中球数は約456/μLです。赤血球・血小板・凝固系は保たれており、顆粒球減少症を考えます。

解説

絶対好中球数の計算

絶対好中球数 = 白血球数 × 好中球割合
= 1,140 × 0.40
= 456/μL

著しい好中球減少では、発熱、全身倦怠感、歯肉炎、口腔潰瘍、感染が起こりやすくなります。一方、血小板数、PT、APTT、出血時間が正常であるため、歯肉出血は血小板・凝固異常より、好中球減少に伴う歯肉炎症・感染を背景に考えます。

全身管理上の注意点
重度好中球減少では侵襲的歯科処置を急がず、血液内科・小児科と連携して原因検索と感染管理を優先します。

画像の確認

実画像では上下顎歯肉がびまん性に発赤・腫脹し、辺縁部に易出血性の炎症がみられる一方、明瞭な水疱や上皮剝離はない。画像中の検査表は白血球1,140/μL、好中球40%で著明な好中球減少を示し、顆粒球減少症に伴う歯肉炎と考えられる。

選択肢の確認

a.天疱瘡
誤り。
天疱瘡では抗Dsg1抗体または抗Dsg3抗体が陽性となることが多く、水疱・びらんを生じます。抗体陰性と著明な好中球減少は合いません。

b.Osler 病
誤り。
Osler病は遺伝性出血性毛細血管拡張症で、毛細血管拡張と反復出血を示します。著明な白血球・好中球減少を説明しません。

c.悪性貧血
誤り。
悪性貧血ではビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血を示し、MCV上昇や貧血が中心です。本症例の赤血球指数とヘモグロビンは保たれています。

d.類天疱瘡
誤り。
類天疱瘡では抗BP180抗体や抗BP230抗体が陽性となることがあり、上皮下水疱を形成します。提示された血液所見とは一致しません。

e.顆粒球減少症
正しい。
絶対好中球数が約456/μLと著しく低く、顆粒球減少症による口腔感染・歯肉症状が考えられます。

覚えるポイント

  • 絶対好中球数 = 白血球数 × 好中球割合です。
  • この症例では約456/μLで重度の好中球減少です。
  • 好中球減少では口腔潰瘍・歯肉炎・感染に注意します。

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