119D013|第119回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯内療法学
待機的診断法が適応となるのはどれか。1 つ選べ。
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正解: c
正答
c
この問題のポイント
待機的診断法は、歯髄の回復可能性が残る急性単純性歯髄炎で、原因刺激を除去して一定期間経過を観察し、歯髄保存の可否を判断する方法です。
解説
歯髄診断では、疼痛の誘発因子、持続時間、自発痛の有無、温度診、歯髄電気診、打診などを総合します。急性単純性歯髄炎は一般に可逆性の段階で、刺激を除去すると症状が消退する可能性があります。
診断が確定しにくい場合には、感染歯質の除去や暫間修復などで外来刺激を遮断し、症状の推移を観察する待機的診断法が適応になります。化膿性や慢性開放性の歯髄炎では、病態が進行しているため根本的な歯髄処置を検討します。
ひっかけポイント
待機的診断は「治療をせず放置する」ことではなく、原因除去と暫間的保護を行ったうえで反応を評価します。
選択肢の確認
a.上行性歯髄炎
誤り。
上行性歯髄炎は歯周組織側から感染が波及する病態で、原因歯周病変を含めた治療が必要であり、待機的診断の代表的適応ではありません。
b.急性化膿性歯髄炎
誤り。
急性化膿性歯髄炎では強い自発痛などを示し、歯髄の不可逆的障害が考えられるため、待機的観察より迅速な除痛処置が必要です。
c.急性単純性歯髄炎
正しい。
急性単純性歯髄炎は回復可能性があり、刺激除去後の症状推移をみる待機的診断法が適応となります。
d.慢性潰瘍性歯髄炎
誤り。
慢性潰瘍性歯髄炎は露髄部に潰瘍を形成する不可逆性病変で、待機的診断の対象ではありません。
e.慢性増殖性歯髄炎
誤り。
慢性増殖性歯髄炎は露髄部から肉芽組織が増殖する病態であり、歯髄処置を要します。
覚えるポイント
- 待機的診断法は可逆性が期待できる急性単純性歯髄炎で用います。
- 誘発痛の持続時間と自発痛の有無が歯髄診断の手掛かりです。
- 化膿性・慢性開放性歯髄炎は不可逆性として扱います。