119D084|第119回 歯科医師国家試験 過去問
6 歳の男児。歯の変色を主訴として来院した。下顎右側中切歯は2 か月前に生え 始めたが、その時から変色していたという。1 歳時に下顎乳前歯部外傷の既往があ るという。初診時の口腔内写真(別冊No. 30A、B)とエックス線画像(別冊No. 30 C)を別に示す。 1 への適切な対応はどれか。1 つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
乳歯外傷により後継永久歯の形成中エナメル質が障害された、いわゆるTurner歯が考えられます。萌出直後で実質欠損が大きくない場合は、まずフッ化物塗布で歯質強化と齲蝕予防を行います。
解説
乳歯の陥入や脱臼などの外傷は、近接する後継永久歯胚へ影響し、エナメル質の白濁・黄褐色変色、形成不全、形態異常、萌出異常を生じることがあります。
本症例は1歳時に乳前歯部外傷があり、後継永久中切歯が萌出時から変色しています。萌出直後の幼若永久歯はエナメル質が成熟途中で齲蝕感受性が高いため、フッ化物塗布と清掃指導で再石灰化・耐酸性向上を図ります。
審美修復は、実質欠損、知覚過敏、本人の希望、萌出の進行をみて検討します。
画像の確認
実画像A・Bでは下顎右側中切歯の歯冠に限局した黄褐色のエナメル質形成不全があり、Cでは根尖未完成だが歯根・歯髄腔に明瞭な病変を認めない。乳歯外傷による後継永久歯の形成障害と考え、まずフッ化物塗布で脆弱なエナメル質を保護する。
選択肢の確認
a.抜 歯
本症例でまず行う対応ではありません。
保存可能な萌出直後の永久中切歯であり、抜歯は適切ではありません。
b.歯の漂白
本症例でまず行う対応ではありません。
萌出直後の幼若永久歯に直ちに漂白を行うより、まず歯質保護と経過観察を優先します。
c.フッ化物塗布
正答。まず行う対応として適切です。
フッ化物塗布により幼若エナメル質の再石灰化と耐酸性向上を図ります。
d.アペキシフィケーション
本症例でまず行う対応ではありません。
アペキシフィケーションは歯髄壊死を伴う根未完成歯で根尖部硬組織形成を促す処置で、本症例の適応ではありません。
e.コンポジットレジン修復
本症例でまず行う対応ではありません。
大きな実質欠損や審美的問題ではコンポジットレジン修復を検討しますが、本問ではまずフッ化物塗布を行います。
覚えるポイント
- 乳歯外傷は後継永久歯の形成障害を起こすことがあります。
- 萌出直後の幼若永久歯ではフッ化物で歯質を保護します。
- 漂白・修復は病変範囲と成長をみて選択します。